二輪教習で行われる「400ATスラローム」は、多くの受講者にとって緊張感のある課題です。特に左手ブレーキ(リアブレーキ)の扱いに関しては、「指をかけて良いのか?」「握ってはいけないのか?」といった疑問や戸惑いがつきものです。今回は、その左手ブレーキの正しい使い方と、怖さを感じる原因、対処法について詳しく解説します。
400ATスラロームにおける左手ブレーキの役割とは?
AT二輪の左手レバーはクラッチではなくリアブレーキを操作します。特にスラロームのような細かいバランスが必要な課題では、このブレーキを適切に使うことで安定性を高められます。
ただし、スラローム中はバランスを崩すリスクが高まるため、「握る」ブレーキ操作ではなく、「かける」程度の繊細なコントロールが求められます。つまり、必要以上に握り込むと失速や転倒の原因になります。
「指をかけないように」と言われる理由
教官から「指をかけないで」と指導された背景には、初心者が無意識にブレーキを強く握ってしまうリスクを避ける意図があります。特に恐怖心から反射的にレバーを握ってしまうと、リアタイヤがロックしやすくなり、転倒につながる危険性が高まります。
そのため、「指はレバーから外しておいて」と指示されるのは、安全確保を優先したアプローチだと考えてください。
では、指をかけてはいけないのか?
実際のベテランライダーやインストラクターは、必要に応じてレバーに軽く指を添えておくこともあります。重要なのは、指をかけるかどうかではなく、「必要なときだけ、適切な力でブレーキを使えるかどうか」です。
教習段階では無理に指をかけず、まずは「使わなくても安定して走れる」技術を身につけ、その後、余裕が出てきた段階で「調整のために使う」感覚に進むと良いでしょう。
「怖くて握ってしまう」心理とその克服法
スラローム中に怖くてブレーキを握ってしまうのは非常によくある反応です。しかし、その反射的な動作こそがバイクの挙動を乱す原因になるため、メンタルコントロールがカギとなります。
- まずは深呼吸してから発進する
- 事前に進入スピードを抑える
- リアブレーキを使わず「アクセルコントロール」で抜ける
といった工夫で、「怖さ=握ってしまう」という反応を軽減できます。
練習で身につく「脱・反射握り」
一度や二度の教習で恐怖心を完全に消すのは困難ですが、経験を重ねることで自然と「握らず走れる」ようになっていきます。特にスラロームは反復練習により「リズム感」が身につき、それが恐怖心の軽減にもつながります。
実際、多くの教習生が「最初は怖くて握ってしまっていたけど、後半は無意識に指が離れていた」と振り返るほど、慣れの効果は大きいのです。
まとめ:まずは「握らない」感覚を体に覚えさせよう
400ATスラロームでは、左手ブレーキの操作は非常に繊細です。最初は「怖くて握ってしまう」気持ちも分かりますが、教習の目的は「恐怖を技術に変える」こと。焦らず段階を踏んでいけば、自然と握らずとも走れるようになります。
大切なのは、教官の指導を素直に受け入れつつ、自分の感覚とすり合わせていくこと。安全かつスムーズなスラローム走行を目指して、着実にステップアップしていきましょう。
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