バイク整備において、アクスルカラーへのグリスアップは重要なポイントのひとつです。特にダストシールなどのパーツがゴム系素材である場合、使用するグリスの種類によっては素材を劣化させてしまうこともあります。この記事では、アクスルカラーに使用すべきグリスの選び方や、電動ガン用のシリコングリスの使用について詳しく解説します。
アクスルカラーとダストシールの関係
アクスルカラーはホイールとアクスルシャフトの間に挿入され、スムーズな回転と位置の安定を支えています。その周辺にはゴム製のダストシールがあり、ホコリや水の侵入を防ぐ役割を担います。
このダストシールはEPDMやNBRといったゴム素材で作られていることが多く、石油系グリスとの相性が悪い場合があります。間違ったグリスを使用すると、シールが膨張・劣化して密閉性能を損なう恐れがあります。
グリスの種類とそれぞれの特徴
バイク整備でよく使われるグリスには以下の種類があります。
- リチウムグリス:汎用性が高いがゴムとの相性はやや注意が必要
- モリブデングリス:高負荷・高温に強いが、ゴムへの攻撃性がある場合も
- シリコングリス:ゴムやプラスチックに対して安全性が高く、耐水性も優れる
この中で、シリコングリスはゴムと相性が良く、ダストシール周辺に適した選択肢といえます。
マルイの電動ガン用シリコングリスは使える?
東京マルイなどの電動ガン用に販売されているシリコングリスは、ゴムパーツとの親和性が高く安全性はありますが、本来の用途が低荷重かつ低回転領域であることに注意が必要です。
バイクのアクスルカラーは回転部や力のかかる部分でもあるため、やや粘度が高く耐荷重性のあるグリスの方が理想的です。電動ガン用グリスでも代用は可能ですが、長期使用や高荷重には不向きな場合があります。
おすすめのグリスと選び方のポイント
バイク整備におけるおすすめグリスは以下の通りです。
- ワコーズ シリコングリス:ゴム・プラ対応、高耐久
- ホンダ純正ウレアグリス:防水性・安定性に優れ万能型
- ヤマハ純正グリースB:高温耐性とゴム保護性が高い
これらの製品は信頼性が高く、ダストシールやカラー周辺の使用に適しています。シリコングリスでも耐圧仕様であれば長く安心して使用可能です。
施工時の注意点とグリスの塗り方
塗布量は”薄く均一に”が鉄則です。多すぎるとホコリが付着しやすく、少なすぎると潤滑不良を起こします。アクスルシャフトやカラーの外周、ダストシール接触部に軽く馴染ませる程度が最適です。
また、古いグリスを完全に除去してから新たに塗布することが重要です。グリス同士の相性が悪いと変質・分離を起こす恐れがあるためです。
まとめ:アクスルカラーのグリス選びは素材との相性がカギ
アクスルカラーに使用するグリス選びでは、ゴム製のダストシールとの相性を最優先に考えることが大切です。シリコングリスはゴムに優しい選択肢であり、東京マルイ製などの電動ガン用グリスも代用品として使用可能ではありますが、耐荷重性に劣る点に注意しましょう。
安全で快適なライディングのためにも、信頼性のある自動車・バイク専用グリスを選ぶのがベストです。
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