車の購入時に営業マンから「多くの人が利用しています!」と勧められることの多い残価設定ローン。しかし、実際に金利を計算すると高額になり、本当にお得なのか疑問に思う人も多いでしょう。本記事では、残価設定ローンの仕組み、メリット・デメリット、通常のマイカーローンとの比較を詳しく解説します。
残価設定ローンとは?
残価設定ローンとは、車の購入時に将来の買取価格(残価)を設定し、その分を除いた金額を分割で支払うローンです。
1. 仕組み
- 車両価格から「残価(最終的な買い取り価格)」を差し引いた額をローンで支払う
- 契約期間終了後に、車を返却・買い取り・再ローン契約のいずれかを選択できる
2. 計算例(車両価格650万円の場合)
項目 | 金額 |
---|---|
車両価格 | 650万円 |
残価(5年後の想定価格) | 250万円 |
ローン対象額 | 650万円 – 250万円 = 400万円 |
金利(5年間で3.9%の場合) | 約100万円 |
最終的に支払う総額は、ローン返済額(約500万円)+車両返却 or 買い取り(250万円)となります。
残価設定ローンのメリット
残価設定ローンには、以下のようなメリットがあります。
1. 月々の支払いを抑えられる
通常のローンと比べて、車両価格の一部(残価)を支払い対象から除外するため、月々の負担が軽くなるのが特徴です。
2. 最新の車に乗り続けられる
契約期間終了後に新しい車に乗り換えられるため、定期的に最新モデルに乗りたい人には便利です。
3. 売却価格が保証される
残価が設定されているため、市場価格の変動に左右されずに売却できます。
残価設定ローンのデメリット
一方で、以下のようなデメリットもあります。
1. 金利が高い
通常のマイカーローン(銀行系の1〜2%)と比べると、ディーラー系の残価設定ローンは3〜6%と高めです。
2. 走行距離や車の状態に制限がある
契約期間中に走行距離の制限(年間1万kmなど)があり、超過すると追加費用が発生します。また、事故や修理が必要になった場合、残価が下がる可能性があります。
3. 最終的な支払いが必要になる
5年後に車を返却せずに乗り続けたい場合、残価(250万円など)を支払う必要があるため、再ローンを組むことになるケースも。
マイカーローンとの比較
銀行系マイカーローンと比較すると、支払総額に大きな違いがあります。
ローンの種類 | 金利 | 5年間の金利負担 | 総支払額 |
---|---|---|---|
残価設定ローン(3.9%) | 3.9% | 約100万円 | 約500万円 + 残価(250万円) |
銀行系マイカーローン(1.5%) | 1.5% | 約30万円 | 約680万円(全額ローン) |
銀行ローンの方が金利が低く、総支払額を抑えられる可能性があります。
どんな人に向いている?
それぞれのローンが向いている人の特徴をまとめました。
【残価設定ローンが向いている人】
- 月々の支払いを抑えたい
- 3〜5年ごとに新車に乗り換えたい
- 走行距離が少なく、車の状態を維持できる
【銀行系マイカーローンが向いている人】
- 最終的に車を所有したい
- 金利負担を抑えたい
- 走行距離や車の使い方に制限を受けたくない
まとめ
残価設定ローンは月々の負担が抑えられるメリットがありますが、金利が高く、最終的な支払いが発生する点に注意が必要です。
- 金利は通常のマイカーローンより高め(3〜6%)
- 契約期間終了後、車を買い取るか返却するかを選ぶ必要がある
- 銀行系マイカーローン(1〜2%)の方が支払総額は抑えられる
車の使い方やライフスタイルに合わせて、最適なローンを選びましょう。
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