バイクのカスタマイズを行う際、社外品のビッグタンクを取り付けることが一般的ですが、その中に見られる透明なチューブがどのような役割を果たしているのか疑問に思うことがあります。特に、アチェルビス製などのビッグタンクでよく見られるこのチューブがタンクキャップに接続されている理由について解説します。
ビッグタンクの基本的な役割
バイクのビッグタンクは、燃料容量を増加させることで、長距離走行や過酷なツーリングに対応できるようにするためのカスタマイズアイテムです。特にオフロードバイクやアドベンチャーバイクにおいて、長時間の走行が求められるシチュエーションでは、ビッグタンクが非常に役立ちます。
これらのタンクは、ポリエチレンなどの耐久性の高い素材で作られ、衝撃吸収性があり、軽量でありながら強度を確保しています。しかし、タンクの設計や取り付け方によっては、標準のタンクでは実現できない機能や利便性が求められます。
透明チューブの目的とその役割
ビッグタンクに付いている透明なチューブは、実は「ベントホース」と呼ばれるもので、燃料タンク内の圧力調整を目的としています。バイクのタンク内で温度が上昇すると、ガソリンが膨張して圧力が高くなり、これによりガソリンタンクが膨らんだり、燃料が漏れ出す原因となります。
そのため、ベントホースはタンク内の圧力を均等に保つために設置されており、チューブを通してタンク内のガソリン蒸気や圧力を外に逃がす役目を果たします。タンクキャップに接続されたチューブは、特にガソリンが気化した際に発生する蒸気を安全に排出し、過剰な圧力がかからないようにします。
ベントホースの設置と安全性の向上
ベントホースが正しく設置されていないと、タンク内の圧力が上がりすぎてガソリンが漏れたり、タンクが膨張したりするリスクがあります。このため、チューブはタンクキャップに接続されており、外部に排気されることでガソリンの漏れや不具合を防いでいます。
また、ベントホースは環境に配慮した設計となっており、ガソリン蒸気を大気中に放出することなく、規定の方法で処理されることが求められます。これにより、安全性が高まり、走行中の事故のリスクを減少させることができます。
他の役割と利点
透明なチューブがもう一つ果たす役割としては、タンク内のガソリンの残量確認が挙げられます。チューブが透明であることで、ガソリンの残量が一目で確認でき、ライダーがガソリンの補充タイミングを見逃すことがなくなります。
さらに、ベントホースを使用することで、タンク内でガソリンの気化や膨張を防ぎ、無駄なガソリンの消費を防ぐことにもつながります。これにより、バイクの効率的な運転が可能となり、燃料の持ちを改善することができます。
まとめ
社外ビッグタンクに取り付けられた透明チューブ(ベントホース)は、タンク内の圧力調整を行い、過剰な圧力がかかることを防ぐ重要な役割を担っています。また、タンクの安全性を確保し、ガソリンの気化や漏れを防ぐとともに、ライダーにとってはガソリンの残量を確認するための便利な機能も備えています。このような設計により、ビッグタンクの使用が安全で効率的なものとなり、長距離走行においても安心して使用できるようになります。
コメント