バイクの車体に刻まれた車体番号プレートは、製造地や輸出先を示す重要な情報源です。中には日本と海外、複数の国のプレートが付いている車両も存在し、それには明確な理由があります。今回は、バイクの「逆輸入車」と呼ばれる存在について、特にGSX400E(通称ゴキ)のような事例をもとに詳しく解説します。
車体番号プレートとは何か?
車体番号プレート(VINプレート)は、バイクの製造元、製造年、モデルコード、輸出先などの情報を含む金属製のプレートです。これは登録や車検、修理履歴の管理にも使用されるため、非常に重要なパーツです。
たとえば、日本製のバイクであっても、輸出モデルには輸出先の規格に合ったプレートが取り付けられます。逆に、輸出されたバイクが再び日本国内に戻ってくると、そのプレートが併存することもあるのです。
逆輸入車とは何を指すのか?
「逆輸入車」とは、本来は海外市場向けに製造・出荷された車両が、日本に再輸入されたものを指します。これはバイクだけでなく自動車にも見られる現象です。たとえば、ホンダCBRシリーズやヤマハRシリーズなど、海外向けに高性能モデルが展開されていることがあります。
GSX400Eのようなモデルでも、一部がヨーロッパやアジア諸国に輸出された後、日本に戻ってくるケースがあります。その結果、国内仕様とは異なる装備や規格を備えている場合があります。
複数の車体番号プレートが付く理由
あるバイクに日本と海外の車体番号プレートが両方付いているのは、一度海外へ輸出された証です。その後中古車として日本へ再輸入された際に、元のプレートが残されている場合があります。
実際に、オーストラリアやイギリス向けに輸出されたGSX400Eには、現地の登録用プレートが追加で装着され、日本に戻ってもそれが外されていないケースがあります。
逆輸入車のメリットと注意点
逆輸入車には、国内仕様にはない装備(高出力エンジンや異なるサスペンションなど)が搭載されていることが多く、希少価値があります。そのためコアなファンには人気があります。
一方で、国内の保安基準に適合していない場合や、パーツの入手が困難な場合があるため、整備や登録に関して慎重な確認が必要です。
実際のGSX400Eの逆輸入例
あるユーザーが所有していたGSX400Eは、元々日本で製造された個体でしたが、カナダへ輸出された記録がありました。その後、日本に再輸入されてバイクショップに並び、現在のオーナーが購入したとのことです。
このように、車体番号プレートに「JAPAN」と「CANADA」の両方の表記があり、かつ英語の登録情報ステッカーがフレームに貼られていたことで、逆輸入車であると判断されました。
逆輸入車かどうかの見分け方
プレートに記載された国名や言語がヒントになります。また、車検証の「型式」や「原動機の型式」の欄で、国内モデルと異なる記述がある場合も逆輸入車の可能性があります。
さらに、輸入時の通関証明書や、輸出国の登録書類が残っていれば、確実に判断できます。購入時には信頼できる販売店に確認をとることが重要です。
まとめ:車体番号プレートはバイクの履歴書
GSX400Eのような旧車で複数の車体番号プレートが付いている場合、それは単なる仕様の違いではなく、その車両が歩んできた歴史そのものを示しています。
逆輸入車は、その特異な履歴ゆえに個性的であり、コレクション価値も高まることがあります。バイク選びの際には、車体番号プレートにも注目して、その一台の物語を読み取る楽しみをぜひ体験してみてください。
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