新車購入の際によく勧められる「残クレ(残価設定型ローン)」。月々の支払いが抑えられるというメリットがある一方で、SNSや口コミではネガティブな意見も多く見られます。本記事では、残クレが敬遠されがちな理由と、その仕組み、注意点について解説します。
残クレとは?仕組みを簡単におさらい
残クレは車両の「残価(数年後の想定下取り価格)」をあらかじめ設定し、その差額だけを分割払いするローンです。契約期間終了時に、以下の3つの選択肢があります。
- 車を返却する
- 残価を支払って買い取る
- 新しい車に乗り換える
例えば300万円の車を5年後に100万円の残価で設定した場合、実際のローンは200万円を5年間で返済します。月々の支払額が抑えられるのが魅力です。
なぜ悪いイメージを持たれがちなのか?
一見メリットの多そうな残クレですが、以下の理由で「やめた方がいい」と言われることがあります。
- 残価精算のリスク:返却時の車両状態によっては、追加費用が発生することがあります。
- 走行距離の制限:年間1万kmなどの制限があり、超過するとペナルティが課される場合があります。
- 所有権はディーラー:契約期間中は車が完全に自分のものにならないため、売却や改造の自由度が低いです。
- 残価設定が高すぎる:販売側が残価を高めに設定していると、後で価値が下がり損をするリスクも。
利用者の失敗談から見る注意点
実際に「思ったよりも買い取り価格が高くて残価を払えず手放した」や「事故で車の価値が下がり、想定外の支払いが発生した」といった声も多く見られます。
ある20代の会社員は、月々の支払いを抑えたいという理由で残クレを利用。しかし転職で通勤距離が増え、走行距離制限を大きく超えたことで、返却時に数十万円の追加請求を受けたという体験談もあります。
残クレを選ぶべき人・選ばない方がいい人
残クレを選んでも問題ないのは、以下のような人です。
- 数年ごとに新車に乗り換えたい人
- 走行距離が少なく、車の扱いが丁寧な人
- 最初から返却前提で契約を考えている人
一方で、ローン終了後に車を自分のものにしたい人や、長く乗りたい人には不向きです。
他のローンとの比較:残クレ vs 通常ローン
項目 | 残クレ | 通常ローン |
---|---|---|
月々の支払い | 安い | やや高め |
所有権 | ディーラー | 購入者 |
車の使い方の自由度 | 制限あり | 自由 |
返済後の資産性 | 基本ゼロ | あり(自車として残る) |
まとめ:残クレは計画的に使えば有効な選択肢
残クレはメリットもありますが、リスクや制限が多いため、「契約内容をしっかり理解した上で利用すること」が重要です。イメージが悪いとされるのは、説明不足や誤解によるトラブルが多いため。慎重な選択が求められるローン方式だと言えるでしょう。
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