かつては「3ナンバー車は金持ちが乗る車」という認識が広く存在しました。しかし現在では、そのイメージは大きく変わりつつあります。この記事では、カローラやカルディナといった大衆車を題材に、3ナンバー車に対する過去と現在の意識の違いを整理しながら、“高級車”の定義について考えていきます。
3ナンバー車の定義とその歴史的背景
3ナンバーとは、車幅1,700mm以上・全長4,700mm以上・排気量2,000cc超のいずれかを満たす乗用車のナンバー分類です。かつてはこの3ナンバー車にかかる自動車税や重量税が5ナンバーより高く設定されていたこともあり、「高級車」というイメージが強くありました。
特に1990年代までの日本では、3ナンバー=贅沢車=金持ちという認識が一般的でした。
現代の3ナンバー車は一般化している
近年では、自動車の安全基準や衝突対策、居住性の向上などにより、多くの車種が自然と3ナンバーサイズになっています。たとえばトヨタ・ヤリスの上級モデルであるヤリスクロスですら3ナンバーに該当します。
そのため現在では、3ナンバー=高級車という固定観念は薄れつつあるのが実情です。
カローラシリーズの変化と認識
カローラシリーズは長年「大衆車」の代表格でしたが、近年のモデル(カローラツーリング・カローラスポーツなど)は全幅が1,745mmを超え、全グレードが3ナンバー車となっています。
しかしこれにより「高級車になった」と感じる人は少なく、むしろ“大きくなったけど普通車”という認識が一般的です。価格帯も200〜300万円台が中心で、いわゆる高級車の条件(価格・ブランド力・装備の上質さ)とは明確に異なります。
カルディナは高級車と認識されていたのか?
かつて販売されていたカルディナ(特に2代目・3代目)は、全幅1,740mm〜1,740mm超となっており、3ナンバー登録のグレードもありました。ただし、販売価格やポジションは「実用ステーションワゴン」であり、高級車扱いされることはほとんどありませんでした。
実際、当時カルディナに乗っていたユーザー層はファミリー層や営業車としての利用が中心で、「クラウン」や「マークII」といった車種に比べてステータス性は低めでした。
現代の“高級車”の定義とは?
現在、車を高級車と定義する基準はサイズではなく、価格・ブランド・素材・装備・快適性・希少性など多岐にわたります。たとえば、以下のような要素が高級車とされる主な要因です。
- 新車価格500万円以上
- レクサス、BMW、メルセデス・ベンツといったブランド
- 本革シートや最新の先進運転支援装備
つまり、3ナンバーかどうかは高級車か否かを判断する基準にはなっていません。
まとめ
かつて「3ナンバーは金持ちの車」と思われていた時代は確かに存在しましたが、現在では多くの一般車が3ナンバーとなり、その認識は大きく変化しています。カローラやカルディナのような車は、高級車というよりも“実用的な大衆車”の位置づけであり、車格と価格、ブランド力を総合して判断されるのが現代の価値観です。3ナンバーというだけで高級車と捉えるのは、もはや過去の話になりつつあるでしょう。
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