中古車市場や個人売買などで「部品取り車」として販売されている車両を目にすることがあります。これらの車は本当に再登録して走行可能な車にできるのでしょうか?この記事では、部品取り車を“起こす”ための方法や法的な条件、注意点について詳しく解説します。
部品取り車とは何か?
「部品取り車」とは、基本的に走行を目的とせず、他の車の修理や整備用にパーツを取るために確保された車のことです。事故車や長期間放置された車、車検切れの車などが多く、一般的には車両としての再利用を前提としていません。
ただし、すべての部品取り車が完全に再生不能というわけではなく、状況によっては再登録が可能なケースもあります。
部品取り車を「起こす」ことは可能か?
結論から言えば、部品取り車を起こして再び走行可能な車にすることは可能です。ただし、次のような条件をクリアする必要があります。
- 車台番号が残っており、明確であること
- 抹消登録済みであること(永久抹消の場合は困難)
- 改造や損傷が道路運送車両法に抵触しない状態であること
- 整備・修復によって車検に合格すること
特に一時抹消登録であれば、比較的容易に再登録が可能です。
再登録までの流れ
再登録の流れは以下のようになります。
- 部品の修復・整備
- 構造変更や必要な整備があれば実施
- 車検を受ける(陸運局または認定整備工場)
- 再登録手続き(ナンバーの取得など)
再登録に必要な書類は、車検証(抹消登録証明書)、譲渡証明書、整備記録、委任状(業者に依頼する場合)などが挙げられます。
法的・技術的な注意点
再登録を目指す上で注意したいのが、道路運送車両法に基づいた技術基準です。たとえば、排ガス規制や灯火類の設置基準など、基準を満たさなければ車検に合格しません。
また、エアバッグやABSなど、安全装置の欠損も重大な問題になる可能性があります。これらの装備が欠落していると、車検に通らず、再登録できないケースもあります。
実例:旧車のレストアと再登録
例えば、1970年代のクラシックカーを部品取りとして入手し、数年かけてレストアし、ナンバー再取得まで至った例もあります。この場合は、オリジナルパーツの確保や、車台番号の保存状態が重要なカギとなりました。
一方、事故により車台フレームが損傷していた車は、修復歴の証明と溶接の状態について検査官のチェックが厳しく、再登録が叶わなかった例もあります。
専門家や業者への相談が重要
部品取り車を起こすには、専門的な知識と技術、さらには陸運局への対応が必要になります。そのため、自動車整備士やカスタムカー専門の業者に相談するのが現実的な手段です。
DIYでの挑戦にはリスクも伴うため、費用対効果をよく検討しましょう。
まとめ:部品取り車の再生は可能だがハードルも高い
部品取り車であっても、法的にクリアできる条件を満たせば再登録は可能です。ただし、状態の確認、整備・修復の手間、法的な条件といったハードルがあるため、気軽にはすすめられないのも事実です。しっかりと準備し、必要であれば専門家の力を借りることで、再び走行可能な車にすることも夢ではありません。
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