ホンダのカブシリーズは、長年にわたって数多くのバリエーションが発売されてきたため、部品の互換性に関心を持つユーザーも多いです。中でも、カブ90(HA02型)とプレスカブC50のリアホイール周辺のパーツの共通性は、レストアやカスタムを検討する際の重要なポイントです。この記事では、リアホイールの互換性に焦点を当て、具体的な比較や注意点を紹介します。
リアホイールの互換性に関する基本知識
カブ90(HA02)とプレスカブC50は、いずれもホンダのスーパーカブ系統に属しますが、排気量や設計年次、仕様の違いにより完全な互換とは限りません。ホイール自体のサイズは17インチで共通していることが多いですが、ハブの設計やスプロケット取り付け方法、ブレーキパネルの形状などが異なるケースもあります。
実際に「ホイールをそのまま流用できるかどうか」は、車両年式、ハブの形式(ドラム径)、スイングアーム幅など複数の条件が合致する必要があります。
カブ90(HA02)のリアホイール仕様
HA02型のカブ90は、一般的に17インチのドラムブレーキ付きホイールを採用しており、チェーン引きやブレーキアームの取り付け位置も標準的な仕様です。リアスプロケットはホイールと一体型のハブに取り付けられているため、ホイールの交換=スプロケット構成の変更にも関わる場合があります。
また、カブ90は積載や巡航性を重視した設計のため、スポーク数やリムの幅などにも微細な差があります。
プレスカブC50のリアホイール仕様
プレスカブC50は、新聞配達などを目的に開発された業務用仕様のため、耐久性や積載性能に特化している点が特徴です。そのため、リアホイールのハブやスポークは強化されていたり、キャリア取り付けの都合でスイングアームやチェーンカバーの形状が異なることもあります。
特に業務用モデルは車体の剛性に関わるパーツ構成がやや特殊なため、ホイール周りも通常のC50系とは若干の違いがあることを認識しておく必要があります。
リアホイール流用時の注意点
- ハブのドラム径:ブレーキドラムの直径が違うと、ブレーキパネルが合わない、または制動力に影響が出る可能性があります。
- スプロケット構成:リアハブに直接スプロケットが組み込まれている場合、チェーンラインやギア比が変化することも。
- アクスルシャフト径とカラー:装着可能でも、カラーやアクスルの径が合わないとガタつきや異音の原因になります。
一例として、HA02のホイールをC50に流用する場合、カラーの追加工やブレーキアームの位置調整が必要だったという事例も報告されています。
共通性を確認するための具体的手順
1. パーツリストで部品番号(品番)を比較する。ホンダの純正パーツリストには車種・年式別の情報が掲載されています。
2. ヤフオクやフリマアプリで出品されている中古ホイールの説明文・写真から、形状や構成部品の違いを目視確認する。
3. 信頼できるバイクショップで現物を見比べたり、実際に装着可否のアドバイスを受けるのが確実です。
まとめ:互換性は“ある”が慎重な確認が必要
カブ90(HA02)とプレスカブC50のリアホイールは、基本設計が近いため一定の互換性はあるものの、完全なボルトオン交換が可能とは限りません。特にドラム径やカラーの違いなど、小さな仕様差がフィッティングに影響するため、実車確認またはパーツリストでの照合が必須です。
旧車同士の部品流用は、工夫や知識が活きる楽しみでもあります。安全性を最優先に、しっかり確認してからチャレンジしてみましょう。
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