低価格・高燃費で人気の軽自動車、ダイハツ・ミライース。その中でも最もシンプルなエントリーグレード「B SAⅢ」は、価格を抑える代わりに装備が極限まで簡素化されています。「今どき手回しウインドウ!?」と驚かれる方も多いこの仕様、本当にそうなのか?また、それにはどんな意図やメリットがあるのか?この記事では、実車データや公式カタログをもとに詳細を解説します。
ミライースB SAⅢのウインドウは手動式が標準
結論から言うと、ミライースB SAⅢのフロントウインドウは手動式(手回し)です。公式カタログにも明記されており、電動パワーウインドウではありません。
運転席・助手席ともに昔ながらの「クルクル回すタイプ」のウインドウで、これはコストダウンの一環として明確に意図された仕様です。エアコンやABSなど最低限の安全装備は備えているものの、快適装備は大幅に削られています。
後部座席は「窓が開かない」!? 固定ガラスの実態
さらに衝撃なのは、後部座席のサイドウインドウが開閉不可、つまり「固定ガラス」仕様であるという点です。開ける機構そのものがなく、外観は通常のガラスに見えますが、実際には開閉不可の設計となっています。
これは、後席に人を乗せる機会が少ない使用者を想定し、徹底的なコスト圧縮と軽量化を狙ったものです。法人利用や営業車として割り切る使い方であれば問題ないものの、ファミリー用途では不便に感じる可能性があります。
なぜここまで割り切った装備なのか?
このグレードの最大の魅力は価格です。ミライースB SAⅢは、新車価格が税込約87万円と、軽自動車の中でも圧倒的な低価格帯に位置づけられています。これは、商用ユースや「とにかく安く軽が欲しい」というニーズに応えるために設計されており、装備は必要最低限にとどめられています。
パワーウインドウ非搭載や後席窓固定という仕様は、その象徴的な例であり、「車としての基本性能は維持しつつ、余計な装備は削る」というコンセプトが徹底されています。
実際に乗っている人の声|不満と納得のリアル
オーナーの口コミでは、「手回しは不便だけど慣れる」「最初は驚いたが、車の価格を考えれば納得できる」「後席は荷物しか乗せないので問題なし」といった声が多く見られます。
一方で、「後席に子どもを乗せると窓が開かないのは不便」「夏場はパワーウインドウが欲しい」など、生活用途として使う場合の不満も散見されます。選ぶ際は「誰がどんな使い方をするか」を事前に明確にしておくことが大切です。
上位グレードとの装備差を知っておこう
もし快適性を重視したい場合は、ミライースの「X SAⅢ」や「G SAⅢ」グレードを検討するのがおすすめです。これらのグレードではパワーウインドウはもちろん、電動格納ミラー、キーレスエントリー、オートエアコンなどが装備され、日常使いに適した快適性が確保されています。
価格差は約10~15万円程度で、装備の充実度から見れば非常にコストパフォーマンスの高い選択といえるでしょう。
まとめ:B SAⅢは「超割り切り仕様」ゆえに納得できる人向け
ダイハツミライースB SAⅢは、フロントは手回し、後席は固定窓という現代では珍しい装備構成です。しかし、それは驚くほどの低価格と燃費性能を実現するための合理的な選択でもあります。
快適性を求める方には向きませんが、「コスパ重視」「移動手段として最低限でOK」「営業車・セカンドカー」といったニーズには非常にマッチする1台です。購入を検討する際は、自分の使い方に照らしてグレード選びを行いましょう。
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