スズキ・ジムニーシエラ(JB74)は本格的な4WD機構を搭載した車両であり、4H(ハイレンジ4WD)や4L(ローレンジ4WD)などの走行モードが備わっています。これらのモードはオフロード性能を最大限に発揮するために重要ですが、舗装路での使用には注意が必要です。本記事では、4H・4Lの使い方と注意点について解説します。
4H・4Lとは?それぞれの用途を知る
4H(Four High)は、タイヤの滑りやすい未舗装路や雪道などでの通常走行に向いており、高速走行も可能です。一方で4L(Four Low)は、岩場や急坂などの低速でのトルク重視の走行に適しており、極低速でのコントロールが求められるシーンで活躍します。
4Lを使用する場面としては、深い雪道、ぬかるんだ斜面、悪路での牽引などが挙げられます。日常的な舗装路での走行には適していません。
舗装路での4H・4L使用はNG?理由とリスク
ジムニーシエラの4WD機構はパートタイム式であり、センターデフがないため、舗装された路面で4Hや4Lを使用するとタイヤの回転差が吸収されずに「ドライブトレインバインディング(駆動系のねじれ現象)」が発生するおそれがあります。
この状態で走行を続けると、駆動系やデフ、トランスファーなどに深刻なダメージを与えることがあります。少しの距離でも繰り返し使うのは避けるべきです。
4H・4Lの操作確認や慣らしはどうすればいい?
とはいえ、4WD機構が長期間使われないことで動作不良が起きるのも事実です。動作確認のための慣らし運転は必要ですが、舗装路ではなく未舗装の広場や駐車場など、安全に負荷をかけずに試せる場所で行うのがベストです。
たとえば、砂利道の駐車場で短距離を4Hでゆっくり走行してみる、4Lに入れて発進や低速旋回を試してみる、といった使い方が推奨されます。切替時は停車してNレンジにし、無理な操作を避けましょう。
ジムニーシエラを長く快適に使うためのポイント
ジムニーシエラはオフロードで真価を発揮するクルマですが、使用環境に合ったモード選択が重要です。無理に舗装路で4WDモードを使うと、部品の摩耗やトラブルを招きます。
また、月に一度程度、未舗装地で各モードを動作させることで、パーツの固着防止や操作感の確認につながります。使わないと壊れる、というのは機械ではよくあることです。
4WDを活用するシーンを想定して練習を
もし将来的にキャンプや登山など、悪路を走る予定があるなら、早いうちに練習しておくのが安心です。オフロード走行可能なフィールドやイベントに参加すれば、安全な環境でプロの指導を受けながら練習ができます。
こうした経験があると、いざというときに慌てずに対応でき、ジムニーシエラのポテンシャルを最大限に活かせます。
まとめ
・ジムニーシエラの4H・4Lは本格的な悪路用
・舗装路での使用は避けるべき(機械的ダメージのリスク)
・動作確認は未舗装地で定期的に実施を
・使わないままにせず、操作感を確かめておくのが安心
正しい理解と使い方で、ジムニーシエラとの付き合いをもっと快適で安全にしましょう。
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