2ストロークエンジンの魅力は、軽快な吹け上がりと構造のシンプルさですが、オイルとガソリンを混ぜて使用する「混合給油」には正確な知識が必要です。混合比に基づく正しい作り方を理解することで、エンジンの寿命と性能を最大限に引き出すことができます。
混合油とは?〜ガソリンとオイルの黄金比〜
混合油とは、2ストエンジンで使用するためにガソリンに専用オイルを一定比率で混ぜた燃料のことです。混合比は「25:1」や「30:1」などで表され、前者であればガソリン25Lに対しオイル1Lを加えることを意味します。
この比率はバイクの車種やエンジン設計により異なりますので、必ず取扱説明書に記載された推奨混合比を確認してください。誤った比率で給油すると、エンジンの焼き付きや排気煙の過多などのトラブルにつながります。
給油ごとに混合油を作る方法とタイミング
混合油は常に「給油量に合わせてオイルを加える」のが基本です。ガソリンを補給するたび、その都度、入れたガソリンの量に応じてオイルを正確に計量して混ぜましょう。
例えば5Lの給油で混合比25:1であれば、オイルは200mL必要になります。専用のメスシリンダーや混合ボトルを使うと計量が簡単です。
実際の混合計算例と便利な早見表
ガソリン量(L) | 混合比25:1のオイル量 | 混合比30:1のオイル量 |
---|---|---|
1L | 40mL | 33mL |
5L | 200mL | 167mL |
10L | 400mL | 333mL |
このように、混合比に応じた計算を行い、常に給油量ベースで調整する必要があります。
混合油を事前に大量に作り置きしてもいい?
可能ではありますが、長期間の保管は分離や劣化の原因になるため推奨されません。特に気温が高い夏場や湿度の高い場所では、オイルが沈殿してしまい均一な燃焼ができなくなる可能性があります。
なるべく1〜2回分の使用にとどめ、小まめに混ぜ直して使用するのが安全です。
混合油を使用するときの注意点
- オイルは2ストローク専用を使用(4スト用はNG)
- 混合後はよく振って均一に混ぜる
- タンク内で直接混ぜる場合は入れる順番(ガソリン→オイル)が大事
- エンジンを掛ける前に必ず軽く揺すって再混合する
これらの基本を守ることで、エンジンの焼き付きやカーボンの過剰発生を防げます。
まとめ:混合油は「給油量に合わせてその都度」が基本
2ストロークバイクの混合油は、毎回の給油量に合わせて混合比を守りながらオイルを計量して加えるのが基本です。混合比を適当にするとエンジンへのダメージが大きくなり、故障や寿命の短縮につながります。
正しい知識と計量器具を揃えれば、混合給油も難しくありません。愛車を長く快調に乗るためにも、混合油管理を正しく行いましょう。
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