平成9年式の日産ラシーン(型式E-RFNB14)の燃料ポンプ交換は、経年車ならではの固着や腐食により、取り外しに苦労することがあります。本記事では、実際の整備現場でも活用されている取り外しのコツや注意点、必要工具などを詳しく解説します。
燃料ポンプの構造とアクセス方法
ラシーンの燃料ポンプは、リアシート下のサービスホール(点検口)からアクセス可能です。カーペットをめくると金属製のプレートが見え、その下にユニットがあります。
燃料ホースとカプラーを先に外した後、固定リングを回してユニットを取り外しますが、ここで固着やサビにより苦戦することが多くなります。
よくある“外れない”原因と確認ポイント
燃料ポンプが外れない最大の原因は、ロックリングの固着とガスケットの劣化膨張です。
- 長年のガソリン成分でパッキンが膨張・硬化している
- リングとタンクがサビや汚れで癒着している
- 専用工具がなく、回す力が均等に加わらない
無理にこじるとタンクが変形するリスクがあるため、慎重な作業が求められます。
外すための具体的なコツと道具
1. パーツクリーナーやラスペネで前処理
リングやパッキン周囲に潤滑剤を吹きかけ、10分ほど放置してから作業に入ると外れやすくなります。
2. 専用フューエルポンプリングレンチを使用
マイナスドライバーとハンマーで叩いて外す方法もありますが、ストレートなどで売っている専用ツールを使えば、力を均等にかけて安全に外せます。
3. ゴムハンマーで軽く叩いて振動を与える
ロックリングに軽く振動を与えることで固着が緩むケースもあります。
4. サビや汚れは真鍮ブラシなどで事前清掃
見えない部分に付着した異物が抵抗になっている場合があります。
取り外し後の交換と再組み付け時の注意点
燃料ポンプを取り外したら、パッキンやOリングは必ず新品に交換します。再使用すると密閉性が保てず、ガソリン漏れの原因になります。
また、ポンプユニットを再装着する際は、ガスケットの位置ズレやホースのねじれに注意し、正しいトルクでロックリングを締め付けるようにしましょう。
チューブ類に劣化やひび割れがある場合はこのタイミングで交換しておくと安心です。
実際に作業した整備士の体験談
ある整備士は、「ラシーンのポンプは純正リングが固く、力任せに叩くとタンクまで歪むので専用工具でじわじわ外すのがポイント」と語っています。
また、「パッキンが膨張している場合、周囲をドライヤーで軽く温めてから外すとスムーズにいった」といった実践的なアドバイスもあります。
まとめ:外れない燃料ポンプは“下準備”と“道具”がカギ
日産ラシーン(E-RFNB14)の燃料ポンプが外れない場合、焦らず潤滑剤と専用工具を使って丁寧に作業することが成功のポイントです。無理な力をかける前に、サビ落としや潤滑、リングに均等な力を加える工夫を試みてください。
DIYでも可能な作業ですが、タンクを傷つけると後が大変なので、不安がある場合は整備工場や専門店に相談するのもひとつの手段です。
コメント