旧車ファンの中でも根強い人気を誇るZ400FX。近年はパフォーマンス向上のためにTMR32キャブレターを装着するカスタムが注目を集めていますが、特にノーマルエンジン+社外マフラーの構成では低速のセッティングに悩むユーザーが少なくありません。本記事では、TMR32をZ400FXに取り付けた際のセッティングのコツと実例を紹介します。
TMR32キャブレターとは?
TMRキャブレターはミクニが製造する高性能キャブで、スロットルレスポンスに優れたフラットバルブ構造が特徴です。TMR32はその中でも口径32mmのモデルで、ゼファー400などにも流用されることが多く、中高速域での加速性能が非常に高いことで知られています。
ただし、Z400FXに取り付けた際にはエンジン仕様や吸排気系とのバランス調整が不可欠です。
Z400FXノーマルエンジン+TMR32で起こりやすい症状
・低速回転時にアクセルを開けると息継ぎを起こす
・プラグが真っ黒になる(燃調が濃すぎる)
・アイドリングが安定しない
これらの症状は、パイロットジェットの番手やニードル位置、スロージェット通路のセッティング不良が原因である場合が多いです。
実際のセッティング例:ノーマルエンジン+カーカー+TMR32
あるユーザーの事例では、以下のようなセッティングで低速の安定化が見られました。
- ニードル:9D03-53 → 9D03-51(段数1段下げ)
- パイロットジェット:#12.5
- メインジェット:#125
- エアスクリュー:1回転戻し
このセッティングにより、プラグのカーボン付着が改善し、スムーズなアクセルレスポンスとアイドリングの安定化が実現されました。
調整のポイント:段階的に試すべき内容
1. ニードルの段数変更:息継ぎが起きる場合は燃料が濃すぎることが多く、段数を一段下げて様子を見ます。
2. パイロットジェットの番手確認:ノーマルエンジンなら#12.5~#15程度が基本です。#17.5以上は濃くなりすぎる可能性があります。
3. エアスクリュー調整:1回転~1回転半戻しが目安ですが、エンジンの始動性や回転の上がり方を見ながら微調整が必要です。
プラグの焼け色で混合比をチェック
セッティング時は、必ずプラグの焼け色を確認しましょう。きつね色に焼けていれば理想的です。
真っ黒:濃すぎ、白っぽい:薄すぎ。
これを目安にジェット類を調整します。
まとめ:TMR32装着時のセッティング成功のカギ
・Z400FXノーマルエンジンには、濃すぎないジェット設定が重要
・まずはニードル段数とパイロットジェットの見直しから始める
・プラグの焼け色をこまめにチェックして最適化を目指す
・完璧なセッティングを目指すなら、同条件で成功している実例を参考にするのが近道です
TMRキャブの性能を最大限に引き出すには、手間を惜しまずじっくり取り組むことがポイントです。
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