車の仕組みを理解するうえで、ガソリンとバッテリーの役割の違いは基本ですが、意外と混同しがちなポイントでもあります。本記事では、現代の車の電装系統や燃料との関係、カーエアコンの仕組みまで、わかりやすく解説していきます。
ガソリンとバッテリーの役割の違い
ガソリンは主にエンジンを動かすための燃料で、タイヤを回す力やエアコンの圧縮機(コンプレッサー)を駆動するために使われます。
一方、バッテリーは電気を供給する装置で、ライト類・ナビ・パワーウィンドウ・メーターなどの電装品を動かすために使用されます。いわば車の中の“家庭用コンセント”のような役割です。
現代の車はバッテリーの消費が増えている?
昔の車と比べて、今の車は液晶パネルやナビ、大型モニター、先進安全装備(ADAS)などが増えており、バッテリーへの負担は確実に大きくなっています。
そのため、最近の車ではアイドリングストップ用の「補機バッテリー」や、容量の大きな高性能バッテリーを採用するケースも増えています。
カーエアコンはなぜガソリンを使うのか?
家庭用エアコンは電気モーターでコンプレッサーを回していますが、多くの車ではエアコンのコンプレッサーをエンジンの動力(=ガソリン)で回しているため、使用時に燃費が悪くなるのです。
アイドリング時にもエアコンを効かせたい場合、エンジンが回っていないと冷房が効かなくなるというのもそのためです。
一部のハイブリッド車や電気自動車では電動コンプレッサーを使い、バッテリー電力のみで冷房が動作するため、エンジンを止めたままでも快適に過ごせます。
ハイブリッド車やEVの電力構成は?
ハイブリッド車では「駆動用バッテリー(HVバッテリー)」と「補機バッテリー(12V)」の2系統があります。
- HVバッテリー:モーター駆動・エアコン電動化
- 12Vバッテリー:ナビやライトなど従来の電装品
EVでは完全にガソリンを使わず、すべての装備が大容量バッテリーの電力で動作します。
車のエネルギー系統の関係性まとめ
装備 | 動力源 |
---|---|
エンジン・タイヤ駆動 | ガソリン(内燃機) |
エアコン(従来) | エンジン駆動 |
ライト・ナビ・メーター | バッテリー(電気) |
エアコン(ハイブリッド/EV) | バッテリー(電気) |
まとめ:ガソリンとバッテリー、目的は全く違う
ガソリンは「動力を生み出す燃料」、バッテリーは「電装品を動かす電源」という役割です。現代の車は電装装備が増えているため、バッテリーへの依存度が高まりつつあります。
エアコンに関しては、従来車ではガソリンで動かし、ハイブリッド車やEVでは電力で動かすという違いがあります。車種や構造によって、エネルギーの使い方も進化しています。
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