バイクの“背もたれ”(シーシーバー)の意味と進化:実用性とカルチャーが交差する理由

カスタマイズ

街で一度は見かけたことがあるかもしれない、背もたれのようなパーツが付いたバイク。特に旧車會や暴走族が乗る車両では定番のカスタムですが、この“シーシーバー”と呼ばれるパーツは、実は見た目以上に歴史と理由がある存在です。

シーシーバーとは?背もたれの正体

シーシーバー(Sissy Bar)は、バイクの後部座席に装着される金属製のパーツで、元々はタンデム(二人乗り)時の背もたれや荷物を固定する目的で生まれました。

特にアメリカのチョッパーカスタムにルーツがあり、ツーリングでの快適性や安全性を考慮した実用装備でもあります。

暴走族が好む理由:機能と“見た目”の融合

日本の暴走族文化では、このシーシーバーが“威圧感”や“個性”を演出する象徴として定着しました。特に1980年代以降は、実用性よりも視覚的インパクトを重視した“高くそびえる”デザインが人気となります。

これはファッションやヘアスタイルと同じく、“仲間との違い”や“存在感”を強調するための表現方法でもありました。

実用性はあるのか?メリットとデメリット

実用面では、以下のようなメリットがあります。

  • タンデム時の乗員の安定性
  • リアバッグなどの荷物固定
  • 車体後部のドレスアップ

一方、高さによっては風の抵抗を受けやすく、取り回しやバランスに影響するというデメリットもあるため、あくまで使い方次第です。

なぜ一般ライダーにはあまり使われない?

現代の市販バイクでは、タンデム重視のツーリングモデルやアメリカンバイク以外ではあまり見かけません。理由としては。

  • デザインが過剰で実用性が限定的
  • 走行安定性や整備性にやや難がある
  • 車検時に取り外しが必要な場合も

とはいえ、現在でもハーレーダビッドソンなどにはシーシーバーがオプション装備されるなど、一定の需要はあります。

シーシーバーの現代的な活用例

シーシーバーは旧車カスタムやイベント用として復活の兆しもあり、レトロ志向の若年層を中心に再注目されています。

また、アウトドア志向のバイクユーザーの間では、シーシーバーにバックパックやキャンプ道具を積載するなど、新たな用途も開発されています。

まとめ:シーシーバーは“見た目”と“実用”の交差点

暴走族が使う“背もたれ”ことシーシーバーは、単なる装飾ではなく、もともと実用性のあるカスタムパーツとして誕生しました。

使用目的が変化してきた経緯こそが、カルチャーの奥深さを物語っています。バイクの世界は“装備=意味”という視点で見ると、新たな魅力が見えてくるかもしれません。

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