ユーザー車検を受ける際、特にタイヤの状態は落ちやすいポイントの一つです。「タイヤの溝はどこで測る？」「スリップサインが見えていたらアウト？」といった疑問は多くのライダーが抱えるもの。本記事では、バイクの車検におけるタイヤの溝の基準や測定方法、注意点を詳しく解説します。
車検で求められるタイヤ溝の基準
道路運送車両の保安基準では、バイクのタイヤには1.6mm以上の溝の深さが必要と定められています。これを下回ると車検には通りません。
ただし、測定される場所には注意が必要です。車検官は「スリップサイン」の位置で溝を測定します。このため、スリップサイン付近の溝が1.6mm未満の場合は、他の部分に溝があっても通らない可能性が高いのです。
スリップサインとは何か？
スリップサインとは、タイヤの溝の中に設けられた小さな出っ張りです。新品時には溝の中に隠れていて目立ちませんが、タイヤが摩耗することで徐々に露出します。
このスリップサインが表面と同じ高さになった時点で、そのタイヤは法定の使用限界を迎えていると判断されます。つまり、スリップサインのある位置が1.6mm以下になると「整備不良」と見なされ、車検は不合格となります。
実際の検査ではどこを見られる？
車検場では、検査官が目視および専用の溝ゲージを使ってスリップサイン付近の溝を測定します。溝の中心部だけでなく、左右のショルダー部分も確認されるため、片減りにも注意が必要です。
例えば、センター部分は1.8mmでもショルダー側が1.4mmでスリップサインが出ていれば不合格になります。
1.1mmの溝は通るのか？結論は…
仮にスリップサイン以外の部分で1.1mm残っていたとしても、スリップサイン部が1.6mm未満であれば車検は基本的に不合格です。安全性の観点からも交換を強くおすすめします。
実際にユーザー車検を受けた経験のあるライダーからも「スリップサインの盛り上がりが目視で分かるレベルならまず落ちる」との報告が多数あります。
おすすめの対応策と事前チェック方法
車検前には以下の点を確認しましょう。
- スリップサインが出ていないか
- タイヤの溝が1.6mm以上あるか（特にスリップサイン位置）
- 片減りやクラック（ひび割れ）がないか
また、日本自動車工業会のタイヤ点検ページも参考になります。
まとめ：スリップサインでの測定が基本。1.1mmではまず通らない
ユーザー車検でのタイヤ検査は、スリップサインの位置で1.6mm以上があるかどうかが合否のカギです。たとえ他の部分に溝が残っていても、サイン部が基準未満であれば通りません。車検前には早めのタイヤ点検・交換を行い、安全かつスムーズに検査をクリアしましょう。
コメント