スーパーカブ110はモデルごとの互換性が高く、一部のパーツ流用も盛んに行われています。特にJA61(スーパーカブ110プロ)とJA59(現行スーパーカブ110)は近年のモデルであり、ホイールの流用を検討する方も多いでしょう。しかし、ポン付け可能かどうかは単純な話ではなく、細かな仕様の違いに注意が必要です。この記事では、JA59のホイールをJA61に装着する際の具体的なポイントと実例を交えて解説します。
前輪:JA59ホイールはフロントに流用可能か?
JA61とJA59のフロントホイールにはサイズ互換性があります。ホイール径は共に14インチですが、フェンダー形状やブレーキパネルの仕様が異なるため、完全なポン付けには調整が必要です。
特にJA61は業務用途を意識した“プロ仕様”であり、タイヤ幅がやや広く、泥除けも厚みがあります。このため、JA59のホイールを流用する場合は、クロスカブ110(JA45またはJA60)のフロントフェンダーに交換することで物理干渉を回避できたという実例もあります。
後輪:リアホイール流用の壁はスプロケットとブレーキパネル
リアホイールの流用はフロント以上に複雑です。ホイール自体の径は同じでも、リアハブ、スプロケット構造、ブレーキパネルの仕様が異なるため、単純なポン付けは困難です。
具体的には、JA59は軽量化のために構造が見直されており、JA61とはブレーキパネルの取り付け寸法が違います。また、チェーンラインが微妙にズレるため、リア側はJA59のハブ・ブレーキパネルごと移植する必要があります。
必要な部品とおすすめの流用構成
JA59のホイールをJA61に装着する際に必要とされる部品は以下の通りです。
- JA59の前後ホイール(タイヤ付き)
- クロスカブ(JA45またはJA60)のフロントフェンダー
- JA59のリアスプロケットハブ
- JA59のリアブレーキパネル
- 必要に応じてカラー・スペーサーの再調整
なお、純正部品を新品で揃えるとコストがかさむため、中古市場や解体車からの流用も検討するのがおすすめです。
実践者の声:JA59ホイール流用の体験談
実際にJA61にJA59のホイールを流用したライダーからは、「前輪はフェンダー交換でほぼ無加工」「後輪はハブとブレーキパネルを一式JA59にすることで解決した」という報告があります。
また、「チェーンラインが気になったが、チェーン引きとカラー調整で問題なく走行できた」との事例もあり、経験者の情報は流用における貴重なヒントとなります。
注意点と公道での使用に関する留意事項
ホイール流用はカスタムの醍醐味ではありますが、安全面や公道での使用を考えると、自己責任かつ整備士による確認を推奨します。特にブレーキやスプロケットといった走行に直接関わる部分の改造は、組み付け精度やトルク管理が重要です。
また、車検対象外の原付とはいえ、あまりに逸脱したカスタムは整備不良とみなされる可能性があるため、常に「純正に近い互換性」を意識した構成にするのが望ましいです。
まとめ:JA59ホイール流用は可能だが“完全ポン付け”ではない
JA61スーパーカブ110プロにJA59のホイールを装着することは理論上可能ですが、完全なポン付けとはいかず、特にリアはブレーキパネルやスプロケットごとの交換が必要です。前輪はフェンダー交換で対応できる場合が多いため、全体的には“少しの工夫と手間で実現可能”なカスタムといえるでしょう。実例を参考にしながら、安全第一で作業を進めてください。
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