オフロード走行やアウトドア需要の高まりとともに、ジムニー(特にJB23型)のカスタム人気が高まっています。しかし一方で、目にする機会が増える改造車に対して「これって違法じゃないの?」と感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では、車高アップやタイヤ交換、マフラー改造といった代表的なカスタムが法的にどう扱われるのかを、具体例とともに解説します。
カスタムの前に知っておきたい「保安基準」とは?
日本の道路を走る車は「道路運送車両の保安基準」に適合している必要があります。この基準を外れると「違法改造車」となり、公道を走ることができなくなるほか、車検にも通らなくなります。
ただし、すべてのカスタムが違法というわけではなく、基準内で行われるカスタムは「合法カスタム」として認められています。
車高アップはどこまでOK?
ジムニーのようなオフロード車では、リフトアップ(車高を上げる改造)が人気ですが、法的には以下の点が基準となります。
- 最低地上高:9cm以上を確保
- 灯火類の高さ:ヘッドライトが地上50cm〜120cmの範囲に収まる
- サスペンションの構造:溶接などでの固定はNG。ボルトオンが基本
たとえば40mmリフトアップ程度なら、保安基準内で問題ないケースが多いですが、50mmを超えるリフトアップを行った場合、構造変更申請や継続車検での審査が必要になります。
「構造変更申請をしていない大幅なリフトアップ車」は違法となる恐れがあるため注意が必要です。
オフロードタイヤへの交換は合法?
ジムニーでよく見かけるマッドテレーン(MT)タイヤやオールテレーン(AT)タイヤへの交換も、条件を満たせば合法です。ただし以下の条件を確認しましょう。
- スピードレンジとロードインデックスが純正以上
- タイヤのはみ出しがない(フェンダー内に収まっていること)
- ホイールサイズ変更時の干渉や回転半径の許容範囲内
例えば、純正タイヤが175/80R16であるJB23に215/70R16などを装着する場合、外径や幅が基準を超えると車検非対応となる可能性があります。タイヤのはみ出しを防ぐためには「オーバーフェンダーの追加」も一つの手段です。
マフラー交換は音量と排ガスで決まる
マフラーの交換も人気のカスタムですが、以下の点に注意が必要です。
- 近接排気騒音が96dB以下(軽自動車)
- 加速走行騒音規制(2010年4月以降の新車)
- 排気ガスの触媒が残っているか
たとえば、JASMA認定や車検対応と明記されたマフラーであれば合法とされますが、汎用品や海外製品では基準を超えることがあり、その場合は違法改造と見なされます。
加えて、近隣住民に配慮した音量であることも、トラブルを避ける上で重要です。
その他にチェックされやすいポイント
以下のようなカスタムも違法となる可能性があるため注意しましょう。
- ナンバープレートの視認性:角度や取り付け位置の変更はNG
- 灯火類の色:ポジションランプに青や赤を使うのはNG
- ウィンドウフィルムの可視光線透過率:運転席・助手席は70%以上必要
これらは警察による職務質問や検問でもチェック対象となります。
まとめ:カスタム=違法ではない。正しい知識で合法カスタムを楽しもう
ジムニーJB23のような車両は、カスタムの自由度が高く魅力的ですが、保安基準を守ることが「合法改造」としての前提です。車高アップ・タイヤ交換・マフラー変更といった代表的なカスタムも、正しく行えば合法の範囲内で楽しめます。
もし近所で見かけた改造車が気になる場合は、まずはその車が保安基準に適合しているか、構造変更がされているかなど、客観的な情報をもとに判断しましょう。過度な疑念よりも正しい知識が安心と安全につながります。
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