エンジンがかからないトラブルは、ドライバーにとって非常に不安な状況です。特にバッテリーやオルタネーター、プラグなどの主要部品を交換していても改善しない場合は、見落としがちな部品やシステムの問題が潜んでいることも。この記事では、ダイハツ・タントL350Sでよくある始動不良の原因と対策を中心に解説していきます。
まず確認したい「基本の電気系統」
バッテリー、オルタネーター、イグニッションコイル、プラグの交換済みであっても、スターターモーターやスターターリレーなど、エンジン始動に直接関係する部品の劣化や断線の可能性があります。
たとえば、キーを回したときに「カチッ」という音がするだけでセルが回らない場合は、スターターモーターやその配線不良が疑われます。また、マイナス側のボディアースが緩んでいることもあります。
燃料系統のチェックポイント
エンジンがクランキング(セルが回る)がされていても始動しない場合、燃料が供給されていない可能性があります。以下の点をチェックしてみましょう。
- 燃料ポンプが正常に動作しているか
- フューエルフィルターが詰まっていないか
- インジェクターに電源供給があるか
キーON時に後部座席付近から「ウィーン」という音が聞こえなければ、燃料ポンプの動作に問題があるかもしれません。
ECUやセンサー類の異常の可能性
ダイハツ・タントL350Sは年式的にもECU(エンジンコントロールユニット)のトラブルや、各種センサーの誤作動も無視できません。特に以下のセンサー類が怪しいポイントです。
- クランク角センサー
- カムポジションセンサー
- スロットルポジションセンサー
これらのセンサーが不調だと、正確な点火タイミングや燃料噴射が行われず、始動不能となる場合があります。警告灯が出ないこともあるため、OBD2診断機によるコード読み取りが推奨されます。
イモビライザーやキーのトラブルも視野に
見落とされがちなのがイモビライザーの不具合。キーに内蔵されたICチップと車両の受信機の通信に失敗すると、燃料や点火がカットされエンジンは始動できません。
スペアキーがあるなら切り替えて試す、またはメーターにイモビライザー警告が出ていないか確認するのが一つの方法です。
冬場や湿気の多い時期の影響
寒い時期や雨天後などにエンジンがかからないケースでは、湿気による配線やコネクタの接触不良も考えられます。イグニッションコイルのハーネスやヒューズボックスの内部、さらにはヒューズそのものの腐食もチェックしましょう。
また、エンジンルームを一度ブロワーで乾かしたり、接点復活剤を使うと改善する場合もあります。
まとめ:焦らず一つずつ原因を特定しよう
タントL350Sの始動不良は、一見すると解決済みと思える項目の裏に、意外な原因が潜んでいることも多いです。電気系、燃料系、センサー系、イモビライザーの4つを中心に、「エンジンに火花・燃料・圧縮があるか」を総合的に判断することが重要です。
個人での点検が難しい場合は、ディーラーや整備工場での診断を受けることをおすすめします。
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