ジムニーや自動二輪を中心に広がるカスタム文化は、見た目や性能を自分好みに仕上げる自由さが魅力です。しかし一方で「改造は無制限なのか?」「なぜ爆音車が取り締まられないのか?」といった疑問も根強く存在します。本記事では、カスタムの法的な範囲や、現実の取り締まり事情について詳しく解説します。
そもそも「カスタム」と「違法改造」の違いとは?
まず押さえておきたいのは、「カスタム=違法」ではないという点です。法令の範囲内での変更、例えば国交省認可のマフラーや、車検対応のリフトアップなどは合法です。
一方で、保安基準に適合しないマフラー音量の増加や、灯火類の不適切な改造などは「違法改造」に該当します。これらは道路運送車両法や騒音規制法により処罰の対象となります。
うるさい改造車をすぐに取り締まれない理由とは?
違法改造車の取り締まりが難しい理由は複数あります。第一に、現場での騒音測定には正確な機器と時間が必要で、一時的に通過する車をその場で取り締まるには限界があるのが現状です。
また、複数の法律が絡む場合、警察官自身が法的根拠を即座に判断するのが難しいケースもあります。実際には、整備命令を出して後日点検に呼び出すといった対応が取られることが多いです。
実際に適用される法律と罰則とは?
改造に関係する主な法律には以下のようなものがあります。
- 道路運送車両法:保安基準不適合のパーツ(車検非対応マフラー、ナンバーカバー等)に適用。整備命令や車検拒否の原因に。
- 騒音規制法・道路交通法:一定以上の騒音や危険運転に適用。罰金や違反点数が科されることも。
- 軽犯罪法:公共の安寧を乱す行為として、迷惑行為に該当する可能性あり。
違反が悪質な場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金などの刑事罰が科されることもあります。
ユーザーとして注意すべきポイント
合法的にカスタムを楽しむには、以下の点に注意しましょう。
- 車検対応品やJQR認定のマフラーなど、公的認可があるパーツを使用する
- 音量・灯火類・ナンバープレート角度など細かな保安基準も確認
- ディーラーや認証整備工場での施工や相談が安心
仮に自作やショップによる改造であっても、ユーザー自身が責任を問われるケースがほとんどです。
警察の対応の現実:限界と改善の取り組み
「警察が取り締まらない」との声もありますが、実際には定期的に「違法改造車一斉取締り」や「街頭騒音対策」などのキャンペーンが実施されています。問題は人手や測定環境に限りがあることと、違法行為の証明に時間がかかることです。
最近では、ナンバーを通じた通報制度やドライブレコーダー映像の提供も活用されています。市民からの情報提供が重要な役割を果たすことも少なくありません。
まとめ:自由なカスタムと法のバランスを取るには
車やバイクのカスタムは個性の表現であり楽しみでもありますが、それが他人への迷惑や法律違反となっては本末転倒です。合法的な範囲内で楽しむ意識と知識を持つことが、真のカスタム文化を支える鍵となります。
「なぜ取り締まられないのか」と感じた時は、裏にある法律運用や現場の事情も理解し、通報や情報提供といった建設的な行動で問題解決に関わることが求められています。
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