新車購入時に装着されているタイヤ、いわゆる「新車装着タイヤ(OEタイヤ)」は、車の第一印象や乗り心地に大きく影響する重要な要素です。しかし、エクストレイルやCX-5など一部の人気SUVでは、硬めの乗り心地を感じるケースが多く報告されています。なぜメーカーはあえて「硬いタイヤ」を選ぶのでしょうか?その背景とタイヤ選びのポイントについて解説します。
新車装着タイヤに「硬さ」が求められる理由
自動車メーカーは、車の設計時に想定される様々な用途・走行条件に応じて、新車装着タイヤを選定しています。特にSUVモデルの場合、ある程度の「剛性」や「安定性」が求められるため、硬めのコンパウンドや高い空気圧が設定されることが多いのです。
例えばエクストレイルやCX-5のようなSUVでは、高速走行や悪路走破性のバランスをとるために、快適性よりも安定感や耐摩耗性が優先されるケースがあります。そのため、しなやかなタイヤではなく、やや硬めに感じるタイヤが装着されているのです。
コストとバランス重視のメーカー戦略
もう一つの要因として、新車装着タイヤは大量調達されるため「コストパフォーマンス」も重視されます。メーカーは、燃費性能、耐摩耗性、価格、走行性能のバランスを取りながら、各車種に最適なタイヤを選定します。
そのため、プレミアムタイヤであるミシュランやコンチネンタルのような快適性重視のモデルではなく、やや硬めで長寿命なモデルが選ばれる傾向にあるのです。
ユーザーの不満:乗り心地と静粛性の差
実際に乗ってみて「ゴツゴツ感」や「ロードノイズが大きい」といった感想を持つユーザーも少なくありません。特に、日常的に舗装道路しか走らないユーザーにとっては、その乗り心地の硬さがネガティブに感じられるのも無理はありません。
こうした不満を解消する方法として、タイヤ交換時に静粛性・柔軟性に優れたプレミアムタイヤへ変更することが選択肢となります。ミシュランのPrimacyシリーズやコンチネンタルのPremiumContactシリーズなどは、乗り心地を重視するドライバーにおすすめです。
実例:CX-5ユーザーのタイヤ交換レビュー
あるCX-5オーナーは、新車装着タイヤからミシュランのPilot Sport 4 SUVに交換したことで「路面のゴツゴツ感が大幅に減少し、高速道路でも音が静かになった」との感想を投稿しています。
また別のエクストレイルユーザーは、コンチネンタルに変えて「ステアリングの反応が良くなり、長距離運転の疲れも軽減した」と述べています。こうしたレビューからも、タイヤ選びによるフィーリングの差は明らかです。
タイヤ交換の際の注意点
乗り心地を改善する目的でタイヤを交換する場合、単純に柔らかいタイヤを選べばよいというわけではありません。車重や使用条件(アウトドア、高速中心など)を考慮して、タイヤの荷重指数や速度記号が適合しているかを必ず確認しましょう。
また、空気圧の管理も非常に重要です。柔らかめのタイヤを選んでも、空気圧が高すぎると逆に硬く感じることがあるため、指定空気圧を守ることが基本です。
まとめ:新車装着タイヤの「硬さ」には理由がある
エクストレイルやCX-5の新車装着タイヤが「硬い」と感じられるのは、SUVとしての安定性やコストバランスを重視した結果です。しかし、使用環境や好みによっては、より快適な乗り心地を求めてタイヤを変更する選択も有効です。
重要なのは、車の特性と使用目的に合ったタイヤを選び、快適性と安全性を両立させること。タイヤは唯一の「地面との接点」であり、ドライビングの質を大きく左右するパーツであることを忘れずに選びたいものです。
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