車の安全性は、見た目やカタログスペックだけでは判断が難しいポイントです。とくに同じメーカーのコンパクトSUV「ヤリスクロス」とステーションワゴン「カローラツーリング」は、どちらも人気車種でありながら、構造や重量、安全装備に違いがあります。本記事では、これらの違いをふまえて、万が一の事故時にどちらがより「被害が少ない」傾向にあるのかを解説します。
ボディ構造と車体形状が与える影響
ヤリスクロスはSUVタイプで地上高が高く、運転席の位置も高めに設定されています。一方でカローラツーリングはセダンベースのステーションワゴンで、車高が低く安定感があります。
この違いは事故の際に次のような影響を与えます:
・ヤリスクロスは相手車のバンパーと接触する位置が高くなるため、追突などで車体下部の損傷を軽減しやすい傾向
・一方カローラツーリングは低重心で横転のリスクが下がるが、衝突時の衝撃を受けやすい側面も
車重と衝突安全性の関係
一般に、車重が重いほど事故時の受ける衝撃は軽減されるといわれています。2024年時点での代表的なスペックは以下のとおりです。
- ヤリスクロス(ハイブリッド):約1,180〜1,250kg
- カローラツーリング(ハイブリッド):約1,300〜1,400kg
このように、カローラツーリングの方が車重はやや重め。衝突時には相手からの力を受け流しやすく、ドライバー保護の観点では優位になることもあります。
先進安全装備の比較
トヨタ車は近年「Toyota Safety Sense」を標準装備していますが、モデル年式やグレードにより内容が異なります。
両車ともに搭載されている主な機能には以下があります。
- プリクラッシュセーフティ(衝突被害軽減ブレーキ)
- レーンキープアシスト
- レーダークルーズコントロール
- 先行車発進告知機能
ただし、ヤリスクロスの方が後発モデルである分、年式が新しい車両では精度の高いセンサーや制御が搭載されていることもあります。
自車よりワンクラス上の車と衝突した場合
相手がアルファードやクラウンなど大型車であった場合、小型車ほど被害が大きくなりがちです。衝突の際、高重量・高剛性ボディの相手の力をどれだけ受け止められるかが重要です。
この観点では、車重・剛性に優れるカローラツーリングの方が有利なケースもあります。ただし、ヤリスクロスのSUVとしての高さが衝撃を受け流す利点になる場合もあり、一概には言えません。
実際の事故統計と評価機関のデータ
国内の自動車アセスメント機関「JNCAP」の衝突安全性能評価では、両車ともに高い評価を得ています。
例:2022年モデル
・ヤリスクロス(総合評価A)
・カローラツーリング(総合評価A)
このように、どちらの車も優秀な安全性能を持っているといえます。ただし、JNCAPなどのデータを確認し、年式ごとの安全性を見ておくと安心です。
まとめ:重視すべきは事故のシチュエーションと装備の内容
ヤリスクロスとカローラツーリング、どちらが事故時に有利かは状況によって異なります。高重量で安定感のあるカローラツーリング、SUVならではの視界と高さを活かせるヤリスクロス、それぞれにメリットがあります。
最終的には、安全装備が充実しているか、車両重量やボディ剛性、想定される走行シーンなどを総合的に判断し、自分に合った車種を選ぶのが重要です。
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