ジャパンタクシーが導入されにくい地方の事情とは？青森県・茨城県を例に解説

トヨタが展開する次世代型タクシー「JPN TAXI（ジャパンタクシー）」は、都市部では見かける機会が増えていますが、地方では導入が進んでいない地域もあります。この記事では、青森県や茨城県をはじめとした地方での導入状況や、導入が難しい理由について詳しく解説します。

ジャパンタクシーとは？その特徴とメリット

ジャパンタクシーは、ユニバーサルデザインを採用したトヨタのタクシー専用車両で、段差のない乗降口やスロープなど高齢者や車椅子利用者にも優しい構造が特徴です。燃費性能の高いLPGハイブリッドエンジンを搭載し、環境性能にも優れています。

都心では新しい「おもてなし」スタンダードとして多くのタクシー会社が採用していますが、全国的に見れば導入のバラつきがあるのが現状です。

国土交通省の資料などから見る限り、青森県や茨城県ではジャパンタクシーの導入台数が全国平均に比べて少ない傾向にあります。特に中小規模のタクシー会社が多い地域では、導入台数はごくわずかにとどまっているケースもあります。

例えば青森県では一部の大手タクシー会社が数台を導入した例がありますが、茨城県南部を除いて多くの地域では依然として旧来のセダン型車両が主流です。

地方でジャパンタクシーの導入が進みにくい理由はいくつかあります。まず第一に車両価格が高いこと。1台あたり約350万円〜という導入コストは、中小のタクシー事業者にとっては大きな負担です。

また、旧型車両の使用可能年数がまだ残っていることや、ジャパンタクシーに対応した整備環境の整備が進んでいないといった背景もあります。

地方でも導入を後押しする取り組みは進められています。たとえば国土交通省の「次世代タクシー導入支援事業」などにより、導入費用の一部が補助される制度がありますが、申請手続きが煩雑であったり、制度を知らない事業者も多いのが現状です。

青森県や茨城県の一部自治体では、観光・福祉政策の一環として導入を促進する動きも出てきていますが、全体的にはまだ限定的です。

全国的には高齢化やバリアフリー需要の高まりを背景に、ジャパンタクシー導入の機運は高まっています。今後は補助金の拡充や中古車市場の活性化、整備体制の整備により、地方でも導入しやすい環境が整っていくと考えられます。

また、地方でも観光振興や地域ブランド化の一環として、ユニークなデザインやサービスを提供するジャパンタクシーを活用する流れが加速する可能性もあります。

ジャパンタクシーは都市部を中心に普及が進んでいますが、地方では高コストや整備体制の問題により導入が進みにくいのが実情です。青森県や茨城県も例外ではありませんが、補助制度や中古市場を活用すれば、導入への道は開けます。

地域のニーズと制度の活用をマッチさせることで、地方においても快適でバリアフリーなタクシー環境が実現できるでしょう。