車の冷却系に使われるクーラント(冷却水)は、エンジンを適切な温度に保つために重要な役割を果たしています。もしクーラントが減っていることに気づいた場合、すぐに補充すべきか、それとも点検が必要かを正しく判断することが大切です。
クーラントが減るのは異常?それとも正常範囲?
通常、クーラントは密閉された冷却システム内を循環しており、減ることはあまりありません。しかし、微量な蒸発やシステムの設計上のわずかな漏れがあれば、数ヶ月単位でわずかに減少することはあります。
例えば、3月に車検でクーラントを交換し、7月にLOWラインを若干下回る程度であれば、蒸発や気温の変化による容積変動の可能性もあります。ただし、「若干下」ではなく「明らかに減っている」なら、何らかの問題が潜んでいるかもしれません。
クーラントを補充しても問題ないケース
以下のような場合は、自分で補充しても問題ないと考えられます。
- 減り具合がごくわずかで、クーラントが漏れているような痕跡がない
- 車の下に漏れ跡がない
- エンジンの温度計が通常の範囲内で安定している
補充の際は、車種に対応した指定のクーラントを使用することが重要です。水道水や別種類のクーラントを混ぜると、冷却系に悪影響を及ぼすことがあります。
要注意!異常が疑われるケース
以下のような兆候がある場合は、単なる継ぎ足しでは済まされません。
- クーラントが短期間で大幅に減っている
- リザーバータンクやラジエーターキャップ周辺に白い粉や錆がある
- 車の下に緑や赤っぽい液体のシミがある
- ヒーターが効かない、エンジンが異常に熱いなどの症状がある
これらは冷却系のどこかで漏れや故障が発生している可能性を示しており、早急な点検が必要です。
具体例:クーラント漏れの実体験
あるユーザーは、半年ごとに少しずつクーラントが減ることに気付き、自分で補充していました。しかし、次第に減少のペースが早くなり、最終的にラジエーターの亀裂が原因だったと判明しました。早期の点検であれば修理費用も安く済んだのに、と後悔したとのこと。
このように、最初は気にならない減少でも、放置しておくと重大なトラブルに発展することがあります。
補充方法と注意点
クーラントを補充する際には、エンジンが冷えている状態で行いましょう。熱い状態でラジエーターキャップを開けると、圧力によって熱い液体が噴き出して危険です。
補充の際はリザーバータンクの「LOW」と「FULL」の間に収まるように入れるのが基本です。また、使用するクーラントの種類を間違えないよう、車の取扱説明書を確認することをおすすめします。
まとめ:軽視せずに、早めのチェックが安心
クーラントの減少は、必ずしもすぐに異常を示すものではありませんが、原因を把握せずに放置するとエンジントラブルを引き起こすリスクがあります。異常の兆候がないか慎重に確認し、不安があれば早めに整備工場で点検を受けることが大切です。
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