カスタムバイクを楽しむうえで、マフラー交換は音質や外観に直結する人気の改造ポイントです。しかし、サイレンサーやバッフルエンドの固定が不十分な場合、排気効率や安全性、さらには騒音規制に抵触するリスクもあります。本記事では、汎用マフラー使用時のサイレンサーとバッフルエンドの適切な取り付け方法について、注意点と対策を詳しく解説します。
サイレンサーとバッフルエンドの役割とは
サイレンサーは排気音を減衰させる主要な部品で、マフラー内部に設置されるのが一般的です。一方、バッフルエンドは出口部分に装着して音量や音質をさらに調整する補助的なパーツです。
両者とも「脱落しないこと」「熱や振動に耐えること」が重要で、固定が不十分だと走行中に脱落する恐れもあるため、保安基準にも関わる重要なパーツです。
ボルト固定がされていないサイレンサーは問題か?
バッフルエンドをマフラーにボルトで固定し、その内側に押し込まれたサイレンサーがボルト固定されていない状態というケース。これは表面上は問題なく見えても、実際には次のようなリスクがあります。
- サイレンサーの振動による移動や脱落
- 共振やビビリ音が発生する可能性
- 排気漏れや走行中の部品飛散による危険性
そのため、たとえバッフルがしっかり固定されていたとしても、サイレンサーも別途ボルトなどで確実に固定するのが望ましいです。
追加で穴あけをしてでも固定すべき理由
サイレンサーが奥にズレ込んだことで元のボルト穴が使えなくなった場合でも、振動や熱によるずれを防ぐために新たに穴をあけてボルト固定することが推奨されます。安全面や耐久性を考えれば、少し手間をかけてもメリットは大きいです。
例えば、直径4〜5mm程度の穴をサイレンサーおよびマフラー外筒の両方にあけ、M6のステンレスボルトで固定すれば十分な強度が得られます。
防振・耐熱対策も忘れずに
サイレンサーやバッフルを固定する際は、ネジに緩み止め剤(ネジロック)を使うことで振動による緩みを防止できます。また、熱に強い耐熱グリスや耐熱ガスケットを併用すれば、排気漏れや共振も防げます。
一部のユーザーは「クレの防錆スプレー」などを併用しようと考えることもありますが、これは本来の用途ではないため、熱で揮発したり汚れやすくなったりと逆効果になる可能性があります。
実際の施工例とおすすめ固定方法
TW200などに汎用マフラーを取り付けたライダーの中には、以下のような対策を講じている例があります。
- バッフルとサイレンサーを独立してボルトで固定
- 耐熱シーリング剤で周囲を密着させて共振防止
- 振動対策としてゴムワッシャーを使用
DIYでも可能ですが、穴あけ位置の調整や内部構造に応じた処理が必要なため、難しい場合はバイクショップで相談するのも安心です。
まとめ:静音化と安全性は「固定の確実性」がカギ
サイレンサーがボルトで固定されていないまま使用するのは、走行中の脱落リスクや排気系トラブルの原因になり得ます。バッフルだけで支えるのではなく、サイレンサーも別途固定することが推奨されます。
面倒に感じるかもしれませんが、安全性と快適なライディングのためにも、正しい施工とパーツ選びを心がけましょう。
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