原付や車など、過去に免許を取り消された経験がある方が、改めて自動車免許を取得した場合、「前歴はリセットされるのか?」「新たな違反で処分対象になるのか?」といった疑問を持つケースは少なくありません。特に初心運転者期間中の違反は、免停や再試験の対象にもなり得ます。本記事では、免許再取得後の前歴の扱いや、初心運転者制度の仕組みについてわかりやすく解説します。
そもそも「前歴」とは?累積点数との違い
運転免許の行政処分における「前歴」とは、過去に免許停止・取消などの行政処分を受けた経歴を指します。一方、「累積点数」は違反行為により加算される点数のことで、前歴と点数は別の基準で管理されています。
たとえば、過去に免許取り消しとなった場合、その後再取得しても前歴は一定期間「残る」ため、次の違反での処分が重くなる可能性があります。
前歴はいつリセットされるのか?
運転免許の前歴は、最後の処分を受けた日から1年間無違反で過ごすことでリセット(前歴ゼロ)されます。つまり、免許を再取得した時点で「過去の取り消しから1年経っていない」場合は、前歴1としてカウントされ、再違反時の行政処分が重くなる可能性があります。
反対に、取消から1年以上経過していれば、原則として前歴ゼロからのスタートとなります。ただし、取消後の無免許運転や保留期間中の違反などがあれば別扱いとなるため、経過期間と違反歴の確認が重要です。
初心運転者期間とそのリスクとは?
免許を取得してから1年間は「初心運転者期間」となり、この間に違反点数が累積3点以上になると「初心運転者講習」の対象になります。講習を受けなければ免許取り消しとなる場合もあります。
たとえば、ウィンカー出し忘れ(1点)+初心者標識不備(1点)=合計2点であれば、講習対象にはなりませんが、今後さらに軽微な違反を1つでも行うと3点に到達し、講習通知が届く可能性があります。
「意見の聴取通知」が届いた場合の意味と対応
運転免許センターなどから「意見の聴取通知書」が届いた場合、それは免許停止や取り消しの対象となる違反・前歴の組み合わせに該当したことを意味します。聴取では事情説明の機会が与えられますが、正当な理由がない限り処分が軽減されることは難しいのが現実です。
前歴が残っていた場合、「2点違反」でも免停30日などの処分に該当することがあります。このため、自分が前歴持ちかどうかの確認が非常に重要です。
具体例:前歴あり・初心者の再取得者が2点違反した場合
例:原付免許時代に免許取り消し → 1年未満で普通免許取得 → 初心運転者期間中に2点違反
このケースでは、「前歴1+累積点数2点」により、30日間の免許停止の処分が課される可能性があります。また、初心運転者制度にも該当しているため、今後1点でも加算されると講習通知対象になるというダブルリスクです。
まとめ:前歴は引き継がれる可能性あり。再取得後も慎重な運転を
過去の免許取消歴がある場合、新たに免許を取っても処分歴(前歴)は残っている可能性が高く、少ない違反点数でも処分対象になることがあります。特に初心運転者期間中は、制度の影響で処分のリスクが高まるため、慎重な運転を心がけることが何より大切です。
意見の聴取通知が届いた場合は、無断で無視せず、指定日時に出向いて事情を正確に説明しましょう。必要であれば、行政書士など専門家に相談することも選択肢の一つです。
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