サーキット走行ではエンジンに高負荷がかかり、エンジンオイルの性能が問われます。特に5W-30など比較的柔らかい粘度のオイルを使用する場合、油膜の切れが不安になることも。この記事では、油膜をしっかり保つための添加剤やその選び方について詳しく解説します。
なぜサーキット走行では油膜が重要なのか
高回転・高負荷な状態が続くサーキットでは、オイルの温度が上昇し、粘度低下により油膜切れが起こりやすくなります。油膜が切れると金属同士が直接接触し、焼き付きや摩耗の原因となるため、油膜の保持はエンジン保護の要となります。
一般走行では問題ない5W-30でも、サーキットでは限界を迎えることがあります。そのため、オイルの性能を補う添加剤の活用が有効です。
油膜強化に効果的な主な添加剤成分
市販の添加剤にはさまざまな種類がありますが、油膜強化に特化した成分として代表的なのが以下の通りです。
- MoS₂(二硫化モリブデン):摩擦低減と潤滑性向上に優れ、油膜保持に効果的。
- エステル系成分:高温下でも油膜が薄くなりにくく、ベースオイルの性能を底上げします。
- ZDDP:亜鉛系の耐摩耗添加剤で、高圧負荷下で金属表面を保護。
これらの成分を含む高性能添加剤を選ぶことで、柔らかめのオイルでも油膜の強度を補えます。
おすすめの油膜強化添加剤ベスト3
- リキモリ モス2シュート(Liqui Moly MoS2)
高濃度のMoS₂配合で、エンジンの摩耗を大幅に低減。ドイツ製で信頼性も高い。 - ワコーズ EPS(エンジンパワーシールド)
高温耐性と油膜保持性に優れ、特にオイル粘度が落ちがちな高回転域で効果を発揮。 - Red Line Break-in Additive(ZDDP高配合)
ZDDPを大量配合し、サーキットなど極限環境での金属保護に強い。
柔らかいオイルでも添加剤で補えるのか?
結論から言うと、高性能添加剤を適切に使用すれば5W-30でもサーキット走行に耐える油膜強度を得られる可能性はあります。ただし、粘度だけに依存せず、定期的な交換や走行状況に応じた調整が必要です。
また、メーカー指定の粘度や保証の範囲に注意し、無理な組み合わせは避けましょう。場合によっては5W-40や10W-40などやや粘度を上げたオイルとの併用も視野に入れるべきです。
実例:5W-30+添加剤でのサーキット走行
あるユーザーは、5W-30+リキモリMoS2を使用し、筑波サーキットで連続10周の走行を無トラブルで完走。油温は110℃程度まで上昇したが、油圧の極端な落ち込みもなく、エンジンの吹けも良好だったとのこと。
このように、添加剤の選び方と使用量を工夫すれば、柔らかいオイルでもパフォーマンスを引き出せる実例があります。
まとめ:5W-30オイルでも安心走行は可能
サーキット走行であっても、MoS2やZDDPなどを配合した添加剤を活用すれば、5W-30オイルでも油膜を維持しエンジンをしっかり守ることが可能です。オイル交換と添加剤の適切な選定を行えば、快適かつ安心なスポーツ走行を楽しめます。
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