純正ディスプレイオーディオ搭載車では、マツダやVWのように音が正面から自然に聴こえる“タイムアライメント(TA)”機能が付いているのか気になりますよね。実はトヨタやスバルは一味違ったアプローチを採用しています。本記事では、その仕組みと社外での対応策もわかりやすく解説します。
純正DAには明確なTA機能は非搭載
トヨタ・スバルの純正ディスプレイオーディオ(DA)には、ホームオーディオのようなタイムアライメント調整機能は搭載されていません。
その代わり、特定帯域を片側だけ逆相化する“疑似TA”処理を施し、位相キャンセルを抑えて音場を整える仕組みが使われています。これはプロショップも指摘しており、DSP時代以前の“逆接続”手法の進化版です【参照】
疑似TAの構造と問題点
この逆相化処理は主に160Hz~1kHzにかけて行われ、左右ドアスピーカーの距離差による位相ズレを補正します。
しかしミッドバス内部で逆相が起きるなど、帯域のつながりが崩れ、奥行き感や音色の自然さに影響を与えることも多いです【参照】
ダブルツィーター設定の一部車種
一部プレミアムグレードでは、左右席の音到達タイミングを揃える“ダブルツィーター”構成がアクセサリオプションで選べます。
この構成では左右同時定位のサウンドステージを実現し、助手席でも自然に音が届く設計です【参照】
後付けでTAを実現する方法
社外DSP付きアンプ(例:Beat‑Sonic ENX‑T106など)を導入すれば、本格的なタイムアライメント調整が可能になります。
走行位置に応じたスピーカー距離の測定と遅延設定を行えば、「音が目の前に定位する」ホームオーディオに近い自然なサウンドが楽しめます【参照】
導入の流れと留意点
①DSPアンプを取付➝②スピーカー距離を測って遅延(0.02ms単位)入力➝③クロスオーバー・EQ調整➝④試聴・微調整というステップで導入可能です【参照】
ただし工賃や機器代がかかる点、DIYには専門知識が必要な点は覚悟しましょう。
まとめ
純正ディスプレイオーディオでは本格TAは未搭載ですが、疑似的な逆相補正を用いています。
助手席中心のダブルツィーター設定車種でも純正TAは限定的ですが、社外DSP導入により本格的なTA調整が可能です。音質重視なら“DSP+タイムアライメント調整”が最も効果的な選択肢と言えるでしょう。
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