BMWミニR56のFRMモジュールに起こりやすいトラブルと再発リスクの実態

車検、メンテナンス

BMWミニR56(2011年式クーパーS LCI)において、FRM(フットウェルモジュール)関連の不具合は比較的よく報告されるトラブルのひとつです。ヘッドライトやウインカー、ゴング音など電装系の挙動に異常が見られる場合、多くはこのFRMモジュールが関与しています。この記事では、修理してもなお再発する可能性のあるFRMトラブルとその原因、対応策について解説します。

FRMモジュールとは何か?

FRM(Footwell Module)は、BMWやMINIの電装系を制御する電子モジュールで、主にライト類(ヘッドライト、テールライト、ウインカー)、パワーウインドウ、ミラーなどを制御しています。

このモジュールはECUのように車両のCAN通信に接続されており、不具合が起きると関連機能がすべて異常動作または無反応になる場合があります。

よくあるFRMの故障症状

以下のような症状はFRMの異常によって引き起こされることがあります。

  • ウインカーやハザードが点灯しない
  • ライトがスイッチ操作と関係なく常時点灯する
  • 片側のライトだけが点灯しない
  • パワーウインドウやミラーが動かない
  • バック時のゴング音が鳴らない

これらの症状は、FRMの内部回路の故障やソフトウェアの破損によって発生することが多いです。

修理しても再発する理由

修理後に再発する原因はいくつか考えられます。特に多いのが、FRM本体の基板不良が完全に改善されていないケースです。外部からの修理ではソフトウェアの書き換えや一時的な復旧処理にとどまることもあり、長期的には再発する可能性があります。

また、車両側の配線不良やバッテリー電圧の急低下などが原因で再度故障することもあるため、単にFRMの問題だけとは限りません。

片側のみ点灯する・他機能が無反応な原因

ヘッドライトが片側だけしか点灯しない場合は、FRMの内部リレー不良やMOSFET(電源供給用半導体)の損傷が疑われます。こうした症状は、ライトの球切れやヒューズ不良では説明がつかない場合に多く見られます。

また、ウインカーやゴング音が依然として無反応の場合、FRM自体がCAN通信に完全に復帰していないか、もしくはモジュールのプログラムが破損している可能性もあります。

診断機による再コーディングと初期化が必要

修理されたFRMモジュールを車両に取り付けた後、専用診断機(ISTA、INPA、Autologicなど)を使った再コーディングや初期化作業が必要です。これを怠ると、モジュールが車両の構成と合わず正常動作しないことがあります。

一部のショップでは修理後の「プラグ&プレイ」として案内されている場合もありますが、完全に同じ構成でなければ再コーディングが無難です。

根本解決のためにできること

FRMが何度も壊れる、あるいは完全に動作が復旧しない場合は、以下の対応を検討しましょう。

  • ディーラーまたは専門店での新品交換(高価だが確実)
  • 車両の電圧管理の見直し(バッテリーやオルタネーターの状態確認)
  • 防水・断線・接触不良の確認(特にヒューズボックスやハーネス接点)

なお、バッテリー端子を外しただけでFRMがクラッシュする例もあり、電装作業には細心の注意が必要です。

まとめ:FRM再発時は車両全体の診断がカギ

BMWミニR56におけるFRMのトラブルは、修理後でも再発するケースがあります。単にモジュールを交換するだけでは不十分な場合もあるため、車両全体の電装状態や診断による再コーディングが不可欠です。

安全かつ確実に復旧させるためには、正規ディーラーやBMW MINIに詳しい修理専門店への相談がおすすめです。

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