中古のタイヤを装着したら、すぐに内側の溝だけがなくなってしまった──そんな経験に心当たりはありませんか?実は、タイヤの片減りは車高を下げた「ローダウン車」でなくても起こり得る現象です。この記事では、タイヤの内減りの原因や注意点、そして改善策まで詳しく解説します。
タイヤの「片減り」とは?
タイヤの片減りとは、タイヤの片側(内側または外側)だけが不自然に早く摩耗する現象です。内側だけが早く減ってしまう「内減り」が最もよく見られます。
この症状は単に「使い古しだから」という理由ではなく、サスペンションやアライメント(車輪の角度)、走行スタイルなど様々な要因が絡んでいます。
ローダウンしていない車でも内減りは起こる
ローダウン車は、サスペンションの構造変化によりアライメントが狂いやすく、片減りしやすいですが、ノーマル車高でも片減りは起こりえます。代表的な原因として以下が挙げられます。
- ホイールアライメントのズレ(特にトー角やキャンバー角)
- サスペンションやショックアブソーバーの劣化
- タイヤの空気圧不足
- 過積載や不均等な荷重
たとえば、アライメントがずれて「トーアウト」(タイヤが外向き)になっていると、内側ばかりが摩耗しやすくなります。
中古タイヤの注意点:すでに偏摩耗している可能性
もらったタイヤがすでに片減りしていた場合、それを装着しても摩耗パターンは変わりません。車両のアライメントが正常であっても、タイヤそのものの偏摩耗は修正できないため、短期間で溝がなくなるのは珍しくないのです。
そのため、タイヤをもらう場合や中古タイヤを購入する際は、「どこがどれくらい減っているか」を必ずチェックしましょう。
アライメント調整の重要性
内減りを防ぐには、アライメント調整が効果的です。ディーラーやタイヤショップでは「4輪アライメント調整」を行っており、1万円前後で受けられることが多いです。
特にタイヤ交換時や足回りパーツを交換した直後には、アライメント調整を行うことで、均等なタイヤ摩耗とハンドリングの安定を保つことができます。
自分でできる片減り対策
日常的にできる対策としては、以下の点を見直すことが大切です。
- タイヤの空気圧を定期的にチェック(1ヶ月に1回が目安)
- タイヤローテーション(前後・左右の入れ替え)を5,000〜10,000kmごとに実施
- 車内の荷物を整理して過積載を避ける
簡単なことですが、これらの積み重ねがタイヤの寿命を大きく左右します。
まとめ:片減りは放置せず早めの対応を
片減りしているタイヤを使い続けると、安全性が損なわれるだけでなく、燃費や走行性能にも悪影響を与えます。たとえローダウンしていない車でも、アライメントのズレやタイヤの状態次第で片減りは起こり得るのです。
中古タイヤを使用する際は慎重に状態を見極め、少しでも不安を感じたらアライメント調整を検討しましょう。タイヤは車の「命綱」。しっかりメンテナンスして、安全なドライブを楽しんでください。
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