サイドミラーが自動で開閉しない・動かないといったトラブルは、多くの車オーナーが経験する悩みの一つです。特に「朝は正常に動くのに、コンビニに立ち寄った後だけ動かない」といった症状が出る場合、単なる故障とは限りません。本記事では、具体的な症例に基づきながら、サイドミラー格納機能が動作しない原因とその対処法について解説します。
症状の特徴から考えられる原因とは?
今回のように、エンジンスタート時にサイドミラーが正常に開閉するタイミングとしないタイミングがあるケースでは、電装系の一時的な不具合やスイッチの挙動異常が疑われます。
具体的には以下のような要因が考えられます。
- ミラー格納スイッチの接点不良(AUTO位置から手動開閉へ切り替えると動く場合)
- 車両側の電源制御タイミング(キーONとアクセサリー電源の切り替え時に挙動が乱れる)
- CAN通信のタイミング不具合(ドア開閉・キー操作が素早いと動作が間に合わない)
- 電圧低下による制御スキップ(短時間のエンジン停止で再始動すると電圧安定前に開閉処理が行われる)
スイッチのAUTO設定に問題がある可能性
ミラーがAUTO設定時にだけ動かない場合は、スイッチ内部の接点不良や誤認識が考えられます。多くの車種ではAUTO時、エンジンOFF→ロックで格納、エンジンON→解除で開く仕組みです。
そのため、エンジンON後にすぐミラーが開かず、手動切り替えで動くのであれば、AUTO信号が正しく認識されていない可能性があります。スイッチユニットの接点洗浄や交換が有効です。
電圧や車両バッテリーの影響をチェック
エンジンを一度止めたあとすぐ再始動した際にミラーが開かない症状は、バッテリー電圧が安定していない状態で制御がスキップされることがあります。
車種によっては、電圧が規定値に達する前にミラーの開閉処理を行うと、安全装置として処理をスキップする仕様になっている場合もあります。電圧チェッカーを使って始動時の電圧を確認するのも一つの手段です。
CAN通信のタイミングに問題があるケース
サイドミラー開閉は、車両のCAN通信ネットワーク上で各ユニットが連携して制御しています。急いでキーをON→OFFにしたり、ドアロック→アンロックを連続で操作すると、ミラー開閉信号が正しく届かないケースがあります。
一度すべてのドアを閉めてしばらく待つ、またはドアを開けた状態で一旦アンロック操作を入れるなど、挙動が安定する操作手順を試すのも有効です。
実際にあった事例:簡易診断と対処法
あるユーザーは、同様の症状が発生した際、ディーラーで診断を受けたところ「スイッチユニットの経年劣化」が原因と判明。交換費用はパーツ代約5,000円、工賃込みで1万円ほどでした。
また、別の例では、バッテリー電圧が始動時に10V台まで低下していたため、バッテリー交換後に症状が改善。どちらも比較的軽微な整備で済んでいます。
まとめ:ミラーが動かない時はスイッチ・電圧・通信の3点を確認
サイドミラーが特定のタイミングで動作しない原因は一つではなく、スイッチの故障、バッテリー電圧の不安定、CAN通信のタイミングなど複数の要素が絡みます。
DIYで確認できる部分もありますが、心配な場合はディーラーや電装に強い整備工場で診断を受けるのがおすすめです。早期の点検・対処でトラブルを未然に防ぎましょう。
コメント