免許の更新時に提出する「質問票」は、健康状態を正確に申告するための大切な書類です。中でも「てんかん」や「記憶喪失」に関する申告は、道路交通法上の重要な判断材料となります。この記事では、過去に質問票で申告した内容が今後の免許更新や継続所持に影響するのか、また新たにてんかんを発症した場合の対応方法について詳しく解説します。
質問票の目的と取り扱い:正直に書くことが最優先
運転免許更新時に記入する質問票は、道路交通法第96条の規定に基づいて提出する義務があります。ここでは「過去5年間に意識を失ったことがあるか」「現在治療中の病気があるか」などの項目があり、申告内容をもとに運転適性が判断されます。
過去の質問票で「はい」と回答した内容についても、公安委員会は記録を残していますが、継続的に問題視されるわけではなく、その後の経過や状態が重要です。
過去の申告と今回のてんかんは別問題として扱われる
質問者のように、過去に別の病気で記憶を失い、それを申告し許可を得た経緯がある場合、その記録は行政側でも把握されています。その後に新たにてんかんを発症した場合は、「新規の疾病の発生」として判断され、前回の申告と混同されることはありません。
重要なのは、その新しい病状についても正しく報告し、必要があれば医師の診断書を提出することです。虚偽申告をしていない限り、過去の内容が問題視されることはほとんどありません。
てんかん発症後に警察に報告する必要がある理由
てんかんは発作時に意識を失う可能性があるため、運転に直接的なリスクを及ぼします。道路交通法第103条では、一定の病気を持つ者が公安委員会に報告しなければならないとされており、てんかんもその対象に含まれます。
報告を怠った場合、虚偽の申告や不作為とみなされ、行政処分(免許取消など)の対象となることもあります。しかし、申告を行い、医師の指導を受けたうえで一定期間無発作であれば、再び運転が認められる可能性があります。
診断書の提出とその後の流れ
てんかんを発症したことを警察に申告した場合、多くのケースで診断書の提出が求められます。診断書の内容によっては、「医師による一定期間の治療継続が必要」「無発作期間が6ヶ月以上あること」などの条件付きでの免許保持が許可される場合もあります。
診断書の書式は警察署または運転免許センターで指定される場合が多いため、事前に確認することが重要です。診断内容と照らし合わせて、公安委員会が個別に運転可否を判断します。
不安なときは「運転適性相談」を活用しよう
各都道府県の運転免許センターや警察署には「運転適性相談窓口」が設置されており、健康状態について不安がある方は事前に相談することが可能です。匿名での相談も受け付けている場合があり、免許の更新前に確認しておくと安心です。
特に精神疾患や発作性の病気に関する申告は慎重な対応が求められるため、医師と連携しつつ、適切な申告と相談を心がけましょう。
まとめ:正直な申告と適切な診断で、免許更新は可能
免許更新時に過去の質問票の内容が改めて問題となるケースは稀であり、過去に正しく申告していれば心配する必要はありません。新たにてんかんを発症した場合も、正しく報告し、診断書を提出すれば、状況に応じた適切な判断がなされます。
不安がある方は、運転適性相談窓口や主治医と連携しながら、今後も安全に運転を続けるための準備を進めましょう。
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