ライトウェイト・ミッドシップスポーツとして名高いトヨタMR-S。中古市場でも根強い人気を誇るモデルですが、購入を検討する上で気を付けたい落とし穴も存在します。特にMT(マニュアルトランスミッション)モデルを探している方にとって、避けた方がよい仕様や年式の見極めは非常に重要です。
MR-Sの基本概要と人気の理由
MR-S(型式:ZZW30)は1999年から2007年まで販売されたミッドシップ2シーターのスポーツカーです。1.8Lの自然吸気エンジン(1ZZ-FE)と軽量な車体、そして低重心レイアウトにより、優れたハンドリング性能を実現しています。
MT車の軽快な操作感やオープンエアの楽しさから、趣味性の高い一台としてファンを獲得しています。
避けた方が良いとされる「SMT」モデルとは?
MR-Sには「MT(5速/6速)」と「SMT(シーケンシャルマニュアルトランスミッション)」の2種類のトランスミッションが存在します。このうち、特に中古購入時に注意したいのがSMT搭載モデルです。
SMTはクラッチペダルのないセミATのような構造で、MTの楽しさとATの手軽さを融合した仕様ですが、クラッチ制御ユニットの故障や、部品供給の不安、故障時の修理コストの高さなどの問題が指摘されています。
狙い目の年式とおすすめグレード
一般的に評価が高いのは2002年以降の後期モデル。特に2003年のマイナーチェンジ以降は6速MTが設定され、足回りの見直しやボディ剛性の強化が図られています。
おすすめは「Vエディション」や「Sエディション」といった装備充実グレードで、スポーツ走行に適したLSDやアルミホイールなどが標準装備されています。
走行距離と整備履歴に注目
年式が古いMR-Sでは、走行距離が10万kmを超える個体も珍しくありません。エンジンの耐久性は高いものの、タイミングチェーンの劣化や冷却系トラブル、シートのヘタリなどが中古車選びのポイントになります。
過去の整備記録簿が揃っているか、クラッチ交換歴があるか、足回りブッシュの状態などもチェックすべきです。
実例:SMT車を買って後悔したケース
ある購入者はSMT搭載車を走行5万kmで購入したものの、半年でクラッチ制御ユニットが故障し、修理に20万円以上かかったといいます。また、地方ではSMTに精通した整備工場が少なく、診断や部品交換にも時間がかかるケースがあります。
こうしたことから、スポーツ走行やDIY整備を考えている方には通常のMT車が無難と言えるでしょう。
まとめ:MTのMR-Sは魅力満載。だが年式と仕様に要注意
トヨタMR-Sは中古スポーツカーとしてコスパの高い選択肢ですが、仕様選びで大きな差が出る車でもあります。特に「SMT搭載モデル」は価格が安い反面、リスクも伴うため注意が必要です。
購入を検討する際は、「2003年以降の6速MT」「整備履歴が明確な個体」「Vエディションなどの装備充実グレード」を優先して選ぶと、後悔の少ない買い物になるでしょう。
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