車のクリア塗装が剥げたまま放置するとどうなる?10年目の愛車に起こる劣化と対策

新車

車の塗装は見た目の美しさを保つだけでなく、ボディの金属部分を保護する重要な役割を担っています。新車から10年経過し、クリア塗装が剥げ始めた車を放置すると、見た目だけでなく機能的にも深刻な劣化が進行します。本記事では、クリア塗装の役割、剥がれた場合に起こること、最終的な影響や簡易的な対策について詳しく解説します。

クリア塗装の役割とは?

車の塗装は大きく3層構造になっています。ベースの金属に下地塗装(プライマー)→色の付いた中塗り(ベースカラー)→透明な仕上げ層であるクリア塗装の順で重ねられています。

このうち、クリア塗装は紫外線や酸性雨から塗膜を守り、車体全体の光沢を維持する重要な層です。この層が失われると、ベースカラーやその下の鉄板部分が直接ダメージを受け始めます。

クリア剥げを放置したままだとどうなる?

クリア層の剥離を放置すると、次のような状態へと進行します。

  • 色あせ・チョーキング現象:紫外線により色の層が劣化し、白っぽい粉が出る
  • ベースカラーの剥離:塗装の本体である色の層も徐々に剥げていく
  • 鉄板の露出・サビ発生:塗装が完全に剥がれると金属がむき出しになり、錆びやすくなる
  • 塗膜下での腐食進行:表面からは見えにくい腐食が進み、修理コストが大幅に増える

このような劣化は、ボンネットやルーフのように直射日光が当たる部分から進行することが多く、放置するほど車の資産価値は大きく下がっていきます。

最終的にはどうなる?実例を交えて解説

10年以上クリア剥げを放置した車の多くは、屋根やボンネットにサビ穴ができるほど劣化し、塗装だけではなく鉄板自体の交換や切除が必要になることもあります。

実際に、2005年式のコンパクトカーを乗り続けたユーザーが、屋根全面にサビが広がり、車検時に「このままでは車体強度が保てない」と指摘され、結果的に買い替えを余儀なくされた事例もあります。

対策が難しいときの応急処置

修理予算が厳しい場合でも、進行を遅らせる簡単な方法があります。

  • 紫外線カットシートで覆う:ルーフやボンネットに日除けカバーをかけて直射日光を避ける
  • 簡易ワックスを使う:劣化した塗装部分でも、表面保護のためにコーティングワックスを塗る
  • ホームセンターのラッカースプレー:広がり防止として簡単なスプレーを使う(ただし見た目は悪くなります)

これらは根本的な修復にはなりませんが、劣化のスピードを抑えるのに一定の効果があります。

再塗装を検討するタイミングと費用感

全塗装(オールペイント)の費用は、車種や塗装内容によりますが、20万円~40万円前後が相場です。部分補修(ボンネットやルーフのみ)なら、5万円~10万円程度で済むこともあります。

費用に見合うだけのリセール価値が残っていない場合でも、「見た目が気になる」「車検時に指摘される」などの要因で再塗装を考えるケースは少なくありません。

まとめ:クリア塗装の剥げは美観と寿命に影響

10年目以降の車でクリア塗装が剥がれてきた場合、そのまま放置するとサビ→腐食→構造劣化と進行し、最終的には車両の寿命を縮めることにも繋がります。

すぐに完全補修ができなくても、カバーや簡易保護処置を講じることで劣化スピードは抑えられます。愛車を長く使いたい方は、放置するリスクを理解した上で、可能な範囲で対策を取りましょう。

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