旧型のスズキ軽自動車に限らず、ドラムブレーキを採用している車で走行中に「ゴーゴー」といった異音がする場合、放置しておくと重大なトラブルに発展するおそれがあります。本記事では、フロント左側から発生する異音の原因と考えられる項目について、実例を交えて解説しながら、適切な対処法も紹介します。
ドラムブレーキとは?その仕組みと弱点
ドラムブレーキは、ブレーキシューが内部のドラムに押し付けられることで摩擦を生み、車を減速させる構造です。軽自動車や旧車に多く採用されていますが、熱がこもりやすく、整備や調整を怠ると異音の原因になります。
特に雨や泥、ブレーキダストなどが内部に蓄積しやすく、定期的な清掃が重要です。構造的にディスクブレーキよりも密閉性が低いため、摩耗や腐食によるトラブルが比較的多く報告されています。
「ゴーゴー音」が出るときに考えられる原因とは?
- ブレーキシューの摩耗:シューがすり減ると金属と金属が擦れるようになり、「ゴーゴー」や「ガリガリ」といった音が出ることがあります。
- ホイールシリンダーの不具合:油漏れや固着があると、ブレーキの動きが偏り異音につながる可能性があります。
- ライニングの剥がれ:ブレーキシューの摩擦材が剥がれると、金属が直接ドラムに接触し、異音が発生します。
- ドラムの変形や腐食:古い車ではドラム自体がサビや変形しており、それが音の原因になる場合があります。
音の出る場所が左フロントの場合に注目すべきポイント
左フロントから音が出る場合、右側と比べてパーツの摩耗が進んでいる、または整備のバラつきがある可能性があります。
また、タイロッドエンドやハブベアリングなどの足回り部品が異音の元となっている場合もあります。これらは走行中にしか異音が出ないケースも多いため、整備士による試運転やリフトアップ検査が必要です。
放置するとどうなる?安全面でのリスク
異音を放置すると、ブレーキの制動力低下や引きずり(常にブレーキがかかっている状態)につながり、燃費の悪化や走行中の発熱、最悪の場合はブレーキが効かなくなる危険性もあります。
さらに部品の破損が進行すると、修理費用も高額になりがちです。異音がする時点で早めに対処することが、最終的にはコスト削減にもつながります。
実例紹介:ドラムブレーキの異音が出た軽自動車のケース
2023年、スズキアルト(平成24年式)のオーナーが体験したケースでは、走行中に左フロントから「ゴーゴー」とうなるような音が発生。点検の結果、ブレーキシューの摩耗とドラム内部への錆の侵入が原因であることが判明しました。
整備工場でシューとドラムを交換・清掃したところ、異音は完全に解消されました。費用は約1.8万円。軽自動車の部品交換は比較的リーズナブルな価格で済むことが多く、早期の対処が有効です。
異音の対策と点検のすすめ
- 早めに整備工場で点検を受ける:素人判断は禁物。必ずプロに異音の発生源を調べてもらいましょう。
- ブレーキシュー・ドラムの清掃と交換:汚れが溜まっているだけでも異音の原因になるため、定期的なメンテナンスが重要です。
- 定期的なグリスアップや調整:グリスの切れや部品のズレがあると、異音が発生しやすくなります。
まとめ:ドラムブレーキ車の異音は放置せず早期点検を
「ゴーゴー音」は、ブレーキシューの摩耗やドラム内部の異常を知らせる大切なサインです。旧型の軽自動車ほど定期点検の重要性は高く、音がした時点で整備工場で診てもらうことが安全面でもコスト面でも最善の選択です。
安心して長く乗るために、異音を軽視せず早めの対応を心がけましょう。
コメント