「バハレーサートラック」とは、オフロードレースであるバハ1000(Baja 1000)に出場するために設計された、非常に特殊で高性能なレース用トラックのことを指します。一般的な市販車とは異なり、各メーカーやチューナーが専用に開発・制作しており、どこか1つの自動車メーカーが製造しているわけではありません。
バハ1000とはどんなレース?
「バハ1000」はメキシコのバハ・カリフォルニア半島で毎年開催される伝説的なオフロードレースで、全長1,000マイル以上にも及ぶ過酷なコースが舞台となります。
このレースは世界中のレーシングチームやカスタムビルダーが参加し、その走破性能と耐久性が問われることで知られています。市販車ベースの車両では対応できないため、専用に設計された「バハトラック」が使われます。
バハトラックの代表的メーカーや製造元
バハトラックは通常、自動車メーカーではなく、以下のようなレース車両専門のビルダーやファクトリーチームが製造しています。
- Geiser Brothers(ガイザーブラザーズ)
- Mason Motorsports(メイソンモータースポーツ)
- Jimco Racing(ジムコレーシング)
- TSCO Racing(ティーエスシーオー・レーシング)
彼らは、各チームの要望に応じてトロフィートラック(バハトラックの最上級カテゴリ)をビルドしており、サスペンション、エンジン、ボディ構造まですべてが独自設計です。
市販車との違い
バハレーサートラックは見た目こそ市販のピックアップトラックに似ているものの、実際にはレース専用の車両です。
例えば。
- サスペンショントラベルは30インチ以上
- エンジン出力は850馬力以上
- フレームはフルチューブ構造
- 車体価格は数千万円以上
こうした特徴は、市販車では考えられない耐久性と走破性能を実現するために必要です。
バハトラックに関与する自動車メーカー
一部の自動車メーカーは、広告や技術提供の一環として、バハトラックの開発に関与しています。
例えば。
- フォードは「F-150 Raptor」や「Bronco R」でバハレースに参戦し、プロトタイプのテストも兼ねています。
- トヨタは「Tundra TRD Pro」をベースにしたマシンを用意することもあります。
ただし、こうした車両も市販車そのままではなく、バハ仕様にフルカスタムされたマシンです。
日本車の参戦は?
日本車では過去に「トヨタ ランドクルーザー」や「日産 タイタン」がバハレースに登場したことがありますが、いずれもアメリカの現地法人が開発したバージョンで、日本国内では流通していません。
このため、「バハレーサートラック=どこのメーカーの車か」という問いには、特定のメーカー車というよりも、レース専用に作られたスペシャルマシンであるという理解が適切です。
まとめ:バハレーサートラックはビルダー製のレース専用車
バハレーサートラックは、フォードやトヨタなどが関与することもありますが、基本的にはGeiser BrothersやMason Motorsportsなどのレース専門ビルダーが製造する完全な競技用車両です。市販車とは一線を画し、過酷な環境を走破するためだけに存在するマシンです。
そのため、一般的な「メーカー製の車」という枠にとらわれない独自のカテゴリとして捉えるとよいでしょう。
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