インジェクション車のファンネル化は、キャブ車とは違い簡単ではありません。しかし、サブコンの導入や正しいセッティングを行えば、理論的には実現可能です。本記事では、ファンネル化による影響や燃調、サブコンの活用について詳しく解説します。
ファンネル化で吸気量が増える理由とは?
ファンネルとは、吸気経路の空気抵抗を最小限に抑え、より多くの空気を効率良く吸入するためのパーツです。フィルターを外したり簡易化するため、エアフローが増加し、結果的に吸気量が多くなります。
この状態では、ECUが想定している吸気量と実際の吸気量にズレが生じ、空燃比(A/F比)が薄くなる傾向があり、燃焼不良やエンジントラブルの原因となります。
ファンネル化と燃調の関係性
燃料噴射量は、エアフロメーターや吸気圧センサーによる空気量の測定値をもとにECUが自動的に調整しています。ところがファンネルにすることでセンサーが空気の流れを正確に読み取れなくなることがあり、燃料噴射量の誤差が生じやすくなります。
その結果、A/F比の調整が必要になり、「燃調が崩れる」と表現されるわけです。
サブコンがあれば燃調は対応できる?
結論から言えば、サブコンがあれば燃調の調整は可能です。たとえばタケガワのサブコンは、スロットル開度や回転数ごとに燃料噴射量を調整できる機能を持っています。
ただし、完璧なセッティングにはダイノマシンを用いた空燃比測定が必要となり、感覚や市販マップだけでの調整では最適化は難しいため注意が必要です。
実例:CBR250R(MC41)でのファンネル化の考察
CBR250Rはインジェクション制御であるため、ファンネル化による吸気量の変化にはECUが対応しきれないケースが多く、ノーマルECUのままだとアイドリング不安定やノッキングが起こる可能性があります。
サブコン(タケガワ製など)が搭載されていれば、点火時期や噴射量を調整することで一定の安定性は保てますが、必ずしも「燃調が崩れない」と言い切ることはできません。
ファンネル化のリスクとデメリット
- 雨天やホコリに弱くなる:エアフィルターがないことで吸気系の保護力が低下します。
- センサー誤作動:空気の流れ方が変わり、マップセンサーやIATセンサーが正確な情報を取れなくなることも。
- 車検非対応や整備性の悪化:吸排気がノーマルではなくなることで公道での合法性に関わる可能性があります。
まとめ:ファンネル化は知識と環境が整えば可能だが慎重に
インジェクション車においてファンネル化を行う際は、吸気量増加により燃調が崩れるリスクがあることを理解する必要があります。
ただし、信頼できるサブコンがあればある程度は補正可能です。とはいえ、実走やダイノセッティングを含めた本格調整が必要であり、自己責任で行うカスタムであることを忘れてはいけません。
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