CRM80がスパークしない?CDI・コイル交換後も火が飛ばない原因とその対策

車検、メンテナンス

CRM80(後期型)は軽量で高回転型のエンジンを持ち、レースシーンでも根強い人気を誇る2ストロークバイクです。しかし、電装系の不具合はトラブルシューティングが難しく、特に点火系のトラブルではCDIやイグニッションコイルの交換後もスパークしないと悩むケースもあります。この記事では、CRM80がスパークしない場合に考えられる原因と対策について実践的に解説します。

まず確認したい基本:アース接続の状態

レース用に電装類を撤去している場合、アース不良が真っ先に疑われます。エンジンハンガー部やフレームへのアース接続が不完全だと、点火信号が流れずスパークが飛びません。

金属面の塗装や腐食が原因で電気抵抗が高くなっている場合も多く、導通チェックや磨き処理で改善することもあります。

ピックアップコイル(パルスジェネレーター)の異常

CDIやコイルを交換しても点火しない場合、エンジン回転信号をCDIに送るピックアップコイル(クランク角センサー)の故障が疑われます。

テスターで抵抗値を測定し、規定値(通常100〜300Ω前後)から外れていないか確認しましょう。また、ピックアップコイルの断線や脱落も物理的にチェックすべきポイントです。

CDIハーネスやカプラーの接触不良

CDIを交換しても改善しない場合、接続部分のハーネスやカプラーの接触不良が原因になっていることがあります。特に配線を加工している場合は、圧着不足やハンダ割れなども要注意です。

一見しっかり刺さっているようでも、電流が流れにくくなっていることがあります。接点復活剤やカプラー交換で改善するケースもあります。

キルスイッチやイグニッション連動配線の短絡

CRM80はレース用に電装を撤去した場合、キルスイッチやイグニッションスイッチとの連動配線が誤って短絡していると常にアースされ、点火信号が遮断される状態になります。

配線図と照らし合わせて、CDIのアース配線とキル配線の誤接続がないかを確認してください。無加工の状態ではスイッチOFFでアースされる仕組みのため、配線の見直しが必要です。

エンジン停止時に起きやすいその他の要因

一時的なスパーク不良が発生した直後にCDIなどを交換してしまった場合、原因が他にある可能性も否定できません。

例えば、水分の混入・振動による断線・スパークプラグキャップの緩みなどが代表的です。新しいプラグを装着しても火花が出ない場合、コイルキャップとプラグの接点も見直してください。

まとめ:CRM80の点火不良は原因を一つずつ潰していくことが大切

CRM80が点火しない場合、CDIやコイルよりも前段の配線やピックアップコイル、アースなどの不良が原因であるケースが多く見受けられます。

電装を簡略化している車両では特に配線ミスや接触不良が起こりやすいため、順を追って一つひとつ確認することが重要です。可能であればサービスマニュアルを参照しながら、配線の導通確認やセンサーの抵抗値チェックを行いましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました