バイクで電装品を後付けする際によく使われる「バッ直(バッテリー直結)」配線。電源を直接バッテリーから取るため、安定した電圧供給が可能ですが、複数のクワガタ端子を1つのバッテリー端子に接続する際、端子の厚みや固定力に不安を感じる方も多いはず。今回はクワガタ端子を3つ以上接続する際の実用的な方法と注意点を解説します。
なぜクワガタ端子が重なると固定しにくいのか?
バイクのバッテリー端子は一般的にM5〜M6ボルトで固定されていますが、クワガタ端子を2枚、3枚と重ねると「かさ増し」によりボルトの長さが足りなくなることがあります。
さらに端子同士の接触面に段差ができたり、ずれてしまうことで締め付けが甘くなり、最悪の場合は通電不良や発熱の原因になることもあります。
3個以上のクワガタ端子を接続する方法①:ボルトの延長
最も簡単かつ確実なのが、バッテリー端子のボルトを長いものに交換する方法です。純正ボルトの長さは短めなので、5〜10mm長いボルト(同サイズ)に変えることで、端子を重ねた状態でもしっかり固定できます。
このときはステンレス製など耐腐食性のあるボルトを選ぶと、屋外環境でも安心です。ただし締めすぎてネジ山を潰さないようトルク管理には注意しましょう。
方法②:分岐端子(ターミナルブロック)を使う
電装品が複数ある場合には、専用の分岐ターミナルを使うのも効果的です。1本のケーブルをバッテリーにつなぎ、その先で複数に分岐させることで、バッテリー端子に直接クワガタ端子を複数重ねる必要がなくなります。
市販の「電源分岐プレート」や「ターミナルブロック」は見た目もスマートで、メンテナンス性にも優れます。配線をまとめたい人には特におすすめです。
方法③:圧着端子+ワイヤージョイントで1系統化
どうしてもバッテリー端子に複数のケーブルを直結したくない場合は、3本のケーブルを1本にまとめてから1つのクワガタ端子で接続する方法もあります。
この場合、圧着スリーブやワイヤージョイントを使って電線をしっかり結線し、1本にまとめたうえで太めのクワガタ端子に圧着します。導通を確保しつつ、バッテリー端子はすっきりさせることができます。
注意点:安全性と耐久性を最優先に
クワガタ端子を重ねる際や、電線を結線する際は以下のポイントを守るようにしましょう。
- 端子の接触面にサビや汚れがないか確認する
- 絶縁キャップや熱収縮チューブで保護する
- 配線が振動で抜けないようタイラップ等で固定する
- 接続後、バッテリーの電圧をテスターで確認する
また、クワガタ端子同士が斜めに重なっている場合は、導通不良や発熱の原因になるので、しっかりと面接触させることが大切です。
まとめ:工夫すればクワガタ端子3本でも安全に接続できる
バイクのバッ直で複数のクワガタ端子を接続するのは珍しいことではありません。ボルトを長くする、分岐ターミナルを使う、電線をまとめて1端子化するなどの工夫によって、安全かつ確実に配線することが可能です。
電装トラブルを防ぐためにも、しっかりとした接続と保護処理を行い、快適で安心なバイクライフを楽しみましょう。
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