バイクの楽しみ方は人それぞれですが、車種やスタイルによってライダーの志向や装備選びにも大きな違いがあります。特にチョッパーバイクに代表されるスリムなカスタムバイクの世界では、ツーリングユースに便利なインカムの装着が比較的少ない傾向にあります。本記事では、なぜチョッパースタイルのライダーたちがインカムを使用しないケースが多いのか、その背景や文化的要因について解説します。
チョッパーカスタムの美学とミニマリズム
チョッパーバイクは、もともとハーレーダビッドソンなどをベースに不要なパーツを削ぎ落とし、スリムに仕上げるスタイルが特徴です。この“削る”文化がヘルメットにも影響を与えており、シンプルなジェットヘルメットや半ヘル、オープンフェイスヘルメットが好まれる傾向があります。
インカムは本体が大きく目立つため、こうしたミニマルでクラシカルなヘルメットデザインと合わないと感じる人が多く、装着しないという選択につながっています。
チョッパー乗りにとっての「孤独なライド」文化
チョッパーを愛するライダーの中には、走ることそのものを「ひとりの時間」として楽しむ人が多くいます。仲間と連絡を取り合いながら走るインカムの便利さよりも、風の音やエンジンの鼓動といった五感で感じる走行感を重視するスタイルです。
このようなスタンスは、スピードや効率よりも“走ることそのもの”を楽しむカルチャーの象徴でもあります。インカムによる会話や音楽がその雰囲気を壊すと感じる方も少なくありません。
インカムの機能性と装着の難しさ
インカムは本来、複数人のツーリングや音楽・ナビ音声の再生に便利なツールです。しかし、チョッパーに乗るライダーの多くはジェットヘルメットや半ヘルを使用しており、これらのヘルメットはフルフェイスに比べてインカムの装着位置や音の伝達に難があります。
実際に、ジェットヘルメットにインカムを取り付ける場合、風切り音が大きくなり、通話品質が著しく下がるといったデメリットも指摘されています。
それでもインカムを使いたい場合の選択肢
「見た目を崩さずインカムを使いたい」というライダーには、次のような製品や方法があります。
- 小型・薄型のインカム(例:SENA SFシリーズ、Cardo Spiritなど)
- インカム本体をバッグやジャケットに装着し、マイクだけヘルメットへ
- Bluetoothイヤホン型の目立たない機器を使用する
また、最近では「ヴィンテージ風インカムマウント」など、デザイン性と機能性を両立させるカスタムも増えてきています。
チョッパースタイルを貫くか、利便性を取るか
インカムの装着有無に明確な正解はありません。スタイルを重視するなら無理に装着する必要はありませんし、安全や快適性を優先するなら見た目を少し妥協する選択もありです。
特に複数人でのロングツーリングではインカムがあると安心感が違いますが、短距離やソロライドなら不要という考え方も一般的です。
まとめ:チョッパーカスタムとインカムの関係はスタイルと価値観の違い
チョッパーバイクにインカムをつけない理由には、見た目の美学やライディングスタイル、装着の難しさなど複数の要因が絡んでいます。一方で、最近では目立たないインカムやカスタムパーツも増えており、使い方によってはチョッパースタイルを壊さずに便利さを取り入れることも可能です。
最終的には、自分の価値観とライディングスタイルに合った選択をすることが、バイクライフをより豊かにするポイントとなるでしょう。
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