レカロのフルバケットシートを長年使っていると、クッション部分の劣化が気になってくる方も多いでしょう。中でも、シートカバーを外すと見えるオレンジ色のウレタンフォーム(スポンジ)は、座り心地や安全性に直結する重要なパーツです。今回はこのクッション素材の代替や交換方法について詳しく解説します。
レカロ純正のクッション材とは?
レカロのバケットシートに使用されているオレンジ色のクッション材は、高密度の成型ウレタンフォームです。通常の汎用品に比べて復元性・耐久性・耐熱性に優れており、レースや長時間運転時の快適性・衝撃吸収性を重視した設計がされています。
この素材は通常、製品ごとに最適化されているため、単純なスポンジとは機能面で大きな差があります。
ホームセンターのスポンジでも代用できる?
見た目や柔らかさが似ているクッション材がホームセンターに売られていることもありますが、代用はおすすめできません。以下のようなリスクがあるためです。
- 密度や復元性が異なり、座面がすぐにヘタる
- 耐熱性が低く、夏場に変形する恐れ
- 体圧分散が不均等で疲労や腰痛の原因になる
特に長距離走行やスポーツ走行をする方には、素材の品質は非常に重要です。
クッションを自作する場合のポイント
それでもコスト面やチャレンジ精神から「自作したい」という方に向けて、最低限押さえておきたい素材選定のポイントを紹介します。
- 密度(D)35以上のウレタンを選ぶ(一般的にD30以下は柔らかすぎ)
- 高反発・耐熱仕様の業務用ウレタンをネットで探す
- なるべく元の形状に合わせて型をとり、正確に切断する
DIYに挑戦する際は「座布団用」ではなく、「車載・機械座席向け」の素材が理想です。
純正部品の入手方法と価格
レカロ製品はモデルごとに部品設定があるため、型番をもとにレカロ正規代理店や専門ショップに相談するのが確実です。
シート本体を丸ごと交換せずとも、部分的なウレタンパッドのみ購入できるケースもあります。価格はモデルにもよりますが、1万円前後から可能です。
安全面や車検との関係は?
自作クッション材が原因でシート形状や安全性が変化した場合、車検に通らない可能性があります。とくに「RMS」などの競技用シートでは構造変更が厳しく規定されているため注意が必要です。
また、シートベルトの位置がズレたり、ホールド性が低下すると、安全性にも影響を及ぼします。これらの観点からも、なるべく純正部品を使うことが望ましいです。
まとめ|コストと安全性のバランスを意識して選択を
・レカロのフルバケットシートには専用設計の高密度ウレタンが使われている
・ホームセンターのスポンジは代用可能だが、耐久性・安全性の面で不安あり
・DIYする場合は素材の密度・反発力・耐熱性にこだわるべし
・純正部品の購入や専門ショップでの相談が安心・確実
長く快適に、安全に使い続けるためにも、安易な代替ではなく、正しい知識と選択が大切です。
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