ロードバイクのワイヤー交換はメンテナンスの基本作業の一つですが、フレーム内部を通るインナーケーブルの再配線は非常に難易度が高い作業です。特にCanyon Ultimate CF SL7のようにフル内装フレームの場合、リアディレイラー側のワイヤー交換で苦戦する人も多いです。この記事では、リアまでワイヤーが通らないときの対処法とテクニックを詳しく解説します。
なぜ内装ケーブルが通らないのか?仕組みと落とし穴
Canyon Ultimateなどのフル内装フレームでは、ワイヤーがBB周りやダウンチューブ内を通る設計になっており、曲がり角が多く、摩擦抵抗や突っかかりポイントが複数存在します。そのため、一度古いケーブルを抜いてしまうと再び通すのが困難になることがあります。
さらに、インナーガイドチューブ(ケーブルガイド)が固定されていない場合、通すたびにルートが変わってしまい、ケーブルが迷子になることもよくあります。
ガイドワイヤーやマグネットツールを使うのが鉄則
ワイヤーを通すときは、専用のインナーケーブルガイドツールやマグネットタイプのフィッシングツールを使うのが圧倒的におすすめです。特にPark ToolのIR-1.2やJagwireのInternal Routing Toolは、ケーブルが通るルートを磁石で誘導してくれるため、BB周りや複雑な箇所でも通しやすくなります。
ワイヤーが通らないときは、リア側からマグネットを使って少しずつ誘導していく方法を試してみてください。
古いワイヤー+テープ方式の注意点とコツ
既存のワイヤーをガイドにして新しいワイヤーをテープでつなぐ方法は一般的ですが、接合部が太くなりすぎると途中で引っかかって抜けなくなります。細く確実に接続するには、熱収縮チューブや細いテフロンテープを使うとスムーズです。
また、つなぐ前に一度フレームのルート全体を把握し、なるべく真っすぐに保つように慎重に引き抜くことが重要です。
プロに頼むのも一つの選択肢
どうしても通らない場合は、Canyonの正規サポートや経験豊富なプロショップに依頼するのも賢い選択肢です。工賃は5,000〜10,000円程度が相場で、無理に作業してフレームやワイヤーを破損させるリスクを考えれば、十分に費用対効果があります。
特にDi2化などを検討している場合は、プロによる内部ルーティングの施工は圧倒的に精度が高く安心です。
再発防止のためのワイヤー交換時の工夫
次回以降の作業を楽にするために、交換時にはワイヤーライナー(ケーブルガイドチューブ)を残すか、あらかじめフィッシングガイドを通しておくことが大切です。また、テフロンコーティングケーブルなどを使うことで、引き抵抗も減らすことができます。
最近のバイクはDi2や無線化が進んでいますが、ワイヤー式のバイクでもこうした工夫一つでメンテナンス性が大きく変わります。
まとめ|ケーブルが通らないときは焦らずツールを活用
リアディレイラー側のワイヤーが通らないというトラブルは、多くのロードバイクユーザーが経験する悩みです。専用ツールの使用や、ガイドワイヤーのテクニック、場合によってはプロへの依頼も視野に入れることで、無理なく安全に作業を進められます。Canyon Ultimateのような高性能フレームでも、メンテナンスの工夫次第で扱いやすくなるので、ぜひ一度ツール導入を検討してみてください。
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