ダックス50を88ccにボアアップし、ハイカムやPC20キャブを組み合わせた際に発生する「アクセル開度初期での息継ぎや失火」現象。この症状は多くのカスタムユーザーが悩まされる問題の一つです。本記事では、原因と対策を段階的に解説し、解決へのヒントを提供します。
よくある息継ぎ・失火の原因とは?
キャブセッティング時におけるアクセル開度初期の息継ぎ・失火は、主にスロージェットの燃料供給不足、またはニードル位置とエアスクリューの不一致によって起こります。
アイドリングが安定していても、スロットルを開けた瞬間に燃調が追いつかず、空燃比が薄くなることで失火につながります。特にPC20キャブはシビアな調整が必要であり、わずかなセッティングのズレが不調の原因になります。
チェックすべきキャブレター設定のポイント
- スロージェット:現在35番ですが、38〜42番に変更すると改善される可能性があります。
- エアスクリュー:1回転半戻しが基準ですが、1/4ずつ調整しながら最もアイドリング回転が上がる位置を探してください。
- ニードルクリップ位置:2段目とのことですが、息継ぎが起きるなら3段目に変更し、低中速の燃料供給を強化してみましょう。
吸気・点火系の確認も重要
キャブレター以外の要因も無視できません。特に以下の点も併せて点検しましょう。
- エアクリーナーの詰まり:抵抗が強すぎると混合気が薄くなります。
- 点火プラグの番手:純正の番手よりも高負荷時用のもの(例:NGK C7HSA → C8HSA)を試す価値があります。
- CDI:ノーマルCDIのリミッターが影響することもあります。強化CDIへ交換を検討しましょう。
症状の再現条件を細かく観察しよう
再現性のある状況で症状を観察すると、セッティングの方向性が見えてきます。たとえば、
- エンジン始動直後
- エンジン温まった後
- ギアが入っていない状態
などの違いに注目し、変化の有無を確認することが有効です。これにより、電装系か燃調かの判断材料になります。
実例:PC20装着ダックスでのセッティング例
以下は似た構成のセッティング例です。
- メインジェット:#90
- スロージェット:#40
- ニードル:3段目
- エアスクリュー:1と1/4戻し
このセッティングに変更したことで、アクセル開度1/8〜1/4での息継ぎが解消された事例があります。
まとめ:細かな調整と観察がカギ
キャブ車特有のセッティングトラブルは、経験と試行錯誤が不可欠です。特にボアアップ+社外キャブの組み合わせでは、ノーマルセッティングのままでは不調を招きやすいものです。
まずはスロージェットの番手アップとニードル段数変更から試してみましょう。そのうえで、エアスクリューや点火系も含めて総合的にバランスをとっていくことが、快調なエンジンへと繋がります。
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