かつて営業車といえば、燃費と信頼性に優れるトヨタ・プリウスが定番でした。しかし、現行型プリウス(60系)は、スタイリッシュな外観や走行性能の向上が注目される一方、営業車用途としての実用性については疑問の声も上がっています。この記事では、営業車としてのプリウスの実情、トヨタの開発思想、そして消費者視点から見た今後の選び方を掘り下げます。
現行プリウスが営業車として採用されにくい理由
新型プリウスは流麗なクーペスタイルに近いデザインと、大径ホイール(17〜19インチ)を装着したスポーティー志向のグレード構成が特徴です。この結果、後席の乗降性やラゲッジ容量がやや劣るという課題があり、営業車としては不向きと感じる企業も少なくありません。
実際、法人向け車両としてはシエンタやカローラフィールダーの方が、室内空間や積載性の面で好まれているケースが目立ちます。これが営業車としてプリウスの採用が伸び悩む背景の一つです。
プリウスの変化はなぜ起きた?トヨタの狙い
トヨタは新型プリウスを「単なる燃費車」ではなく、「乗って楽しいデザイン・パフォーマンス・環境性能の三位一体車」として開発しています。これは欧米市場やZ世代を視野に入れたブランディング戦略の一環です。
結果として、従来の営業車やファミリーカーというよりも、パーソナルユースに向いた車種へと進化しました。プリウスが「仕事道具」から「ライフスタイルの象徴」へと立ち位置を変えつつあるのです。
17インチタイヤはアホ?それとも合理的?
「営業車に17インチタイヤは不要」という意見もありますが、一概に否定はできません。大径ホイールは見た目の印象向上だけでなく、ハンドリングや制動力の安定にも寄与します。ただし、ランニングコスト(タイヤ代や乗り心地の硬さ)は営業車向きではありません。
営業車用途では、あえてエントリーグレードの小径ホイールを選び、乗り心地と燃費重視の仕様にするのが一般的です。
プリウスが営業車でないなら何が主流?
営業車としては以下のような車種が引き続き人気です。
- トヨタ・シエンタ(ハイブリッドあり、後席スライドドア)
- ホンダ・フィット(取り回しが良く、燃費も良好)
- トヨタ・プロボックス(法人需要に特化)
- スズキ・ソリオ(小型で維持費が安い)
これらは「経済性」「乗り降りのしやすさ」「車両価格」などが重視された結果の選択です。
ユーザーの声は?実例から見るプリウスの印象
ある企業では、以前まで営業車としてプリウスを導入していたものの、新型では乗降性の低さやコスト面からヤリスに切り替えた事例もあります。また、個人の声として「デザインは良いが後部座席に乗せづらい」「営業先で使うには主張が強すぎる」といった声も少なくありません。
一方で「長距離出張が多く、走行性能の向上はむしろ歓迎」という支持層も存在します。
まとめ:プリウスの進化は営業車ニーズとズレてきた?
現行プリウスは、トヨタの新しい価値観と技術を象徴するモデルであり、従来の営業車ニーズとは異なる方向性を目指しています。営業車として使うには、コスト・実用性・乗降性を改めて吟味する必要があります。
そのため、「アホ」と言い切るのではなく、「用途に応じた選択」が重要です。営業車としての最適解を求めるなら、プリウス以外の選択肢も積極的に検討することが求められるでしょう。
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