バイクという自由な乗り物を手に入れると、「いつか日本一周をしてみたい」と思う人も多いはず。しかし、現実にはバイク乗りのほとんどが実際に日本一周には踏み出していません。本記事では、その理由や背景を深掘りしつつ、ライダーのリアルな事情を解説します。
時間的なハードルが高い
まず最も大きな理由が「まとまった時間が取れない」ことです。日本一周をバイクで行うには、少なくとも2週間〜1ヶ月は必要と言われています。
多くのバイク乗りは社会人であり、長期の休暇が取れるのはごく一部。連休があっても、家族や仕事との調整が難しいため、長旅に出る余裕がないのが現実です。
金銭的な負担が意外と大きい
バイクでの日本一周は交通費が安く済むイメージがありますが、実際は燃料代、宿泊費、整備代、食費、フェリー代など出費が積み重なります。
たとえば1ヶ月で全都道府県を回る場合、予算は20〜40万円が目安。無理に節約すれば旅そのものの快適性や安全性が損なわれてしまう可能性もあります。
愛車や装備への不安も障壁に
長距離走行に耐えうる車両の整備状況、タイヤの寿命、積載能力、雨天対策など、旅に適した装備が揃っていないという不安も多くのライダーの心理的ブレーキになっています。
特に中型〜大型バイクは長距離走行に向いている一方で、重さや維持費も課題となり、「やりたいけど準備が大変」という意見も多く聞かれます。
身近なツーリングで満足できてしまう
実際、多くのライダーは「数日単位のロングツーリング」や「週末日帰りツーリング」で十分に満足しています。日本各地には日帰り圏内でも絶景・グルメ・温泉が充実しており、わざわざ何十日もかけて全国を回らなくても「バイクの楽しさ」を満喫できてしまうのです。
そのため、日本一周は「いつかやってみたい夢」であっても、「今やらなければならない目的」にはなりづらいという面があります。
それでも日本一周をする人もいる
とはいえ、実際に日本一周を達成したライダーも数多くいます。彼らの多くは学生、定年後のライダー、仕事を辞めて自由な期間を得た人など「時間的自由」がある層が中心です。
YouTubeやSNSでは、そうした旅の記録が多く発信されており、「旅バイク」というジャンルの魅力も広がっています。準備や覚悟は必要ですが、その分得られる体験は一生の財産になります。
まとめ
バイク乗りが日本一周をしない理由には、時間・お金・装備・現実的な制約など、様々な事情が絡んでいます。しかしそれは「やりたくない」のではなく、「できる条件が整っていない」だけのことが多いのです。
身近なツーリングを重ねながら、いずれ機が熟したときに日本一周という夢に挑戦する。その積み重ねこそ、バイクライフの本質かもしれません。
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