構造変更手続きを次の車検まで先延ばしにするのはアリか?整備工場の対応を正しく理解する

車検、メンテナンス

車両の改造や変更を行った際に必要となる「構造変更手続き」。しかし中には「次の車検時でいいよ」と先延ばしを提案する整備工場も存在します。本記事では、そういった対応が法的・実務的にどのような意味を持ち、またユーザーとしてどう考えるべきかを解説します。

構造変更とは何か?なぜ必要なのか

構造変更とは、自動車の全長・全幅・全高、車両重量、エンジンの型式や排気量など、車検証記載事項に影響する変更を加えた際に必要な運輸支局での正式な手続きです。

例えば、車高を極端に下げたり、大径ホイールへの変更、シートを定員未満に減らすなどのカスタムは、構造変更の対象になり得ます。未申請で公道を走行すれば、整備不良車両とみなされる恐れもあります。

手続きを先延ばしする整備工場の意図とは

一部の整備工場が構造変更手続きを車検まで先送りにする提案をする背景には、次のような事情があると考えられます。

  • 構造変更は通常の整備以上に手間と時間がかかる
  • 運輸支局での検査が必要なため、工場の負担が大きい
  • 車検時であれば一括で処理できるという利便性

特に変更が軽微な場合や、使用環境が限られている場合(展示・私有地内使用など)、黙認されがちなケースもあります。

実際に構造変更をしなかった場合のリスク

仮に必要な構造変更を行わずに走行を続けた場合、以下のようなリスクがあります。

  • 道路運送車両法違反による行政処分
  • 交通事故時の保険金不払いリスク
  • 車検時に構造変更が必要と判明し、予想外の出費・再検査

一見走行に支障がないように見えても、公道を走る以上は正しい登録が義務付けられています。

「程度によってはあり得る」の意味を正しく理解する

整備工場が「構造変更は次の車検でいい」と提案する場合、それが本当に軽微な変更かどうかの判断が重要です。車検証の記載事項に影響しないカスタム(例:ナビ交換、LEDライト交換など)であれば問題ない場合もあります。

しかし、記載事項に影響する場合は明確に手続き義務が発生します。その見極めを誤ると、結果的にユーザーが不利益を被る可能性があるのです。

信頼できる整備工場の見極め方

整備工場の信頼性を判断するには、次のようなポイントが参考になります。

  • 構造変更が必要なケースを明確に説明してくれる
  • 法的根拠や実務上のリスクを隠さず伝える
  • 必要に応じて運輸支局とのやり取りも代行してくれる

「安易な先延ばし」を提案するよりも、「正しい手続きを負担なく進める方法」を提案してくれる工場を選びましょう。

まとめ:手続きを知れば判断が変わる

構造変更の手続きを先延ばしする提案には、工場側の事情と一定の合理性がある場合もありますが、それが法的な正当性を担保するわけではありません。ユーザー自身が内容とリスクを理解したうえで、適切な判断を行うことが重要です。

愛車の改造を安心して楽しむためにも、正しい知識と信頼できる整備工場の選定が何よりも大切です。

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