アッシー君とは何だったのか?バブル期の恋愛文化と現代との比較

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1980年代後半から1990年代初頭、いわゆるバブル経済期には、特有の男女関係やライフスタイルが日本社会に広がっていました。その象徴の一つが「アッシー君」という存在。車を持ち、女性の送り迎えをする“だけ”の男性を指すこの言葉は、当時の恋愛観や社会背景を色濃く反映しています。この記事ではアッシー君の実態と、その後の時代との違いについて紐解きます。

アッシー君とは何か?バブル期の恋愛用語

「アッシー君」とは、女性にとっての“足(=移動手段)”として使われていた男性を指す俗語です。多くは自家用車を所有し、女性の希望する時間に合わせて送迎するという役割を担っていました。

この言葉はバブル時代特有の消費文化と男女の経済格差を背景に生まれたもので、同時期には「メッシー君(食事を奢る男性)」や「ミツグ君(プレゼントを贈る男性)」といった言葉も登場しています。

実際に付き合えたケースはどれくらい?

当時のデータは多く残されていませんが、元女性誌編集者や当事者へのインタビューなどによると、アッシー君と“本命”の交際に発展したケースは全体の1〜2割程度とも言われています。多くの場合はあくまで「便利な存在」として関係が続き、それ以上にはならなかったようです。

一方で、何年も誠実に送り迎えを続けていた男性が、最終的に信頼を勝ち取って恋人になった例もあり、「粘り強さ」が功を奏することもあったようです。

なぜアッシー君が必要とされたのか?

当時は女性の夜の移動手段が限られており、終電後や深夜の帰宅手段として「車を持つ男性」が重宝されました。また、デートにおける男性の支払い前提文化や、所有物(高級車・ブランド)で自分をアピールする風潮も手伝って、アッシー君の存在が確立されていきました。

さらに、男性側もそれを受け入れ、「いつか彼女に昇格できるかも」と期待を抱きながら送り迎えを繰り返していたケースが多かったようです。

現代にもアッシー君のような存在はいるのか?

現代ではSNSやマッチングアプリの普及、女性の経済的自立、自家用車の保有率の低下などにより、「アッシー君」のような関係性は少なくなりました。ただし、以下のような似た構造は今も存在しています。

  • 恋愛感情のない友人としての送迎
  • 「奢り目的」の関係で食事に誘う男性
  • 投げ銭やプレゼントを通じて好意を伝える配信者ファン

また、経済力のある高齢男性が若い女性に尽くすという構図は、高級外車の運転手や“パパ活”といった形で一部に残っていると言えるでしょう。

ベンツに乗る高齢者はアッシー君なのか?

現代のベンツ所有者がアッシー君的な行動を取っているケースもゼロではありませんが、多くは“移動の足”というよりも「経済力の象徴」としての側面が強くなっています。特に高齢層では、見栄よりも快適性・安全性を重視してベンツを選ぶ人も多いです。

ただし、若い女性と交際関係を築くために車や資金を提供する人も一部に存在し、その点ではアッシー君文化が形を変えて残っているとも言えます。

まとめ:アッシー君はバブルの象徴、今は多様な関係性に

アッシー君という存在は、男女の経済的ギャップや社会的役割が色濃く反映されたバブル期特有の現象でした。現代ではそのような明確なラベリングはされにくくなりましたが、“一方通行な好意に基づく関係”という構図は形を変えて残っているのが実情です。

時代とともに恋愛観は変化しますが、誰かに尽くすという姿勢が評価されるか、利用されるかは、関係性の築き方次第なのかもしれません。

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