発進時にアクセルを踏み込むと回転数だけが上がり、車が進まず空回りする――このような症状は、特にCVT(無段変速機)搭載車でよく見られます。今回は、ダイハツ・ミラココア(L675S型・H22年式)でこのような症状が出たときに考えられる原因や対処法を、実例を交えてわかりやすく解説します。
発進時の空回り:まず疑うべきはCVT本体
CVT車において、アクセルを踏んでも回転数だけが上がり、駆動が伝わらないような症状は、CVT本体の不具合が疑われます。特に変速ベルトの滑りや、内部クラッチの摩耗・異常が原因であれば、発進時にパワーがうまく伝わらず「ギャァァァ」といった異音や高回転になることがあります。
このような現象は「CVT滑り」と呼ばれ、早期に診断・修理が必要です。
CVTフルード(CVTオイル)の劣化も大きな要因
中古車購入後、CVTフルードの交換歴が不明な場合は、まず点検をおすすめします。CVTフルードは長期間使用すると劣化し、油圧制御や変速性能に悪影響を及ぼします。
特にエアコン使用時などエンジン負荷が増加する条件で症状が顕著になる場合、フルードの粘度低下が原因の可能性もあります。ディーラーや整備工場での診断と交換が有効です。
発進時の操作による影響:アクセル操作も見直しを
アクセルを「ゆっくり踏めば普通に走る」という点から、CVTが繊細な操作に反応してギア比を急激に変化させることが苦手な状態になっているとも考えられます。これは制御系の異常や学習制御の狂いなども含まれます。
学習リセットやCVT制御ユニットの診断も選択肢として検討してみましょう。
エアコン使用時に症状が悪化する理由
エアコンはコンプレッサーを稼働させるため、エンジンに大きな負荷がかかります。その結果、発進トルクが下がり、滑りやすいCVTにさらに負担がかかります。
このような状況でCVTの滑りやトラブルが強調されるのは珍しいことではありません。エアコンベルトの異常やコンプレッサーの抵抗も同時に点検する価値があります。
その他の原因:エンジンマウントやクラッチ関連部品の劣化
CVT以外にも、エンジンマウントの劣化やCVT内部のスタートクラッチ摩耗などが原因となる場合もあります。特に走行距離が10万kmを超えている場合は、これらの部品にも注意が必要です。
点検ではCVT診断だけでなく、シャシーや駆動系全体のチェックが重要です。
診断と修理のステップ:何から始めるべきか
- CVTフルードの点検・交換
- CVTの滑り診断(専用スキャンツール使用)
- エアコンベルトやコンプレッサーの点検
- エンジンマウント・駆動系パーツの確認
- 必要に応じてCVTリビルトまたは乗せ替え
これらの項目を一つずつ確認することで、費用を抑えながら根本原因にたどり着けます。
まとめ:CVT滑りは早期対応がカギ。中古車は特に注意を
ミラココアのような軽自動車でCVT滑りの症状が出た場合、早期の診断と整備が今後のトラブル回避につながります。CVTはデリケートな部品であり、フルード管理や日頃のメンテナンスが長持ちの秘訣です。
まずはCVTフルードの交換と診断を実施し、必要に応じて整備士と相談の上、適切な修理プランを検討しましょう。
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