空いている駐車場なのに、わざわざ自分の車の隣へ駐車される。空席だらけのフードコートなのに、すぐ近くの席へ座られる。このような行動をする人は、インターネット上で俗に「トナラー」と呼ばれることがあります。
不快に感じる人がいる一方で、隣に来た理由を外から正確に判断することはできません。「自己中心的だから」「周囲をまったく見ていないから」と決めつけるより、考えられる理由と現実的な対処法を分けて考えることが、余計なトラブルを避けるうえで重要です。
「トナラー」は正式な分類や診断名ではない
トナラーは、駐車場や電車、飲食店などで、ほかに十分な空間があるにもかかわらず他人のすぐ隣を選ぶ人を表す俗称です。医学的・心理学的な診断名ではないため、「トナラーには共通してこの性格がある」と断定できるものではありません。
本人にとっては「隣に来た」という意識すら薄い場合があります。駐車場なら店舗入口との距離、日陰、駐車しやすさ、柱の位置などを優先した結果、たまたま隣になった可能性もあります。
したがって、行動だけを見て相手の人格や心理状態まで判断するのは難しいという前提を持っておくと、必要以上にストレスを抱えにくくなります。
空いている駐車場でも隣に停める理由はいくつか考えられる
駐車が得意ではない人の中には、白線だけを目印にするより、すでに停まっている車を基準にしたほうが位置を把握しやすいと感じる人もいます。また、店の入口に近い、駐車場から出やすいなど、双方にとって条件の良い区画が重なっていることもあります。
たとえば100台分の駐車場に数台しかいなくても、入口に近い10区画へ利用者が集中すれば、結果として車同士が隣り合います。この場合、「空いているのに意図的についてきた」とは限りません。
もちろん、十分離れた場所に同条件の空きスペースがあるのに隣を選ぶケースもあります。それでも、相手が何を考えていたのかは本人にしか分からないため、理由を一つに決めつけないほうがよいでしょう。
ドアミラーを畳んだまま走る車と「トナラー」は別の問題
ドアミラーを格納したまま走っている車を見て、「周囲を気にしない人だから駐車場でも他人の隣へ来る」と結び付けるのも注意が必要です。二つの行動に同じ原因があるという根拠はありません。
ドアミラーについては、道路運送車両の保安基準で、運転者が交通状況を確認できる後写鏡等について基準が定められています。[参照] 走行時の安全確認に必要な視界を確保することは重要ですが、それと人の性格評価は切り離して考えるべきです。
「ある行動が危険・迷惑か」という評価と、「その人は自己中心的な人間だ」という人格評価は別物です。行動上の問題だけを見るほうが、冷静に対処しやすくなります。
大声で非難して恥をかかせる対処はおすすめできない
不快だからといって、相手を大声で罵倒したり、「この人はおかしい」などと周囲へ聞こえるように言ったりする方法は、問題解決よりもトラブルを大きくする可能性があります。相手が怒って口論になったり、駐車場なら車同士のトラブルへ発展したりすることも考えられます。
そもそも、通常の駐車区画へ適切に駐車しているだけなら、「自分の隣へ駐車しないでほしい」という個人的な希望を相手へ強制できるとは限りません。フードコートについても、自由席で利用可能な席なら、近くへ座ったことだけを理由に退席を要求できるとは限らないでしょう。
一方、ドアをぶつけられた、進路を塞がれた、執拗についてこられるなど具体的な被害や危険がある場合は話が別です。その場合は直接対決するより、施設管理者や店舗スタッフなどへ相談するほうが安全です。
気になる場合は「相手を変える」より自分が距離を取る
駐車場で隣の車との距離が気になるなら、空いている別の区画へ移動する方法が最も簡単です。特にドアパンチを避けたい場合は、入口から多少遠くても駐車密度の低い場所や、隣接する駐車スペースが少ない端の区画などを選ぶ方法があります。
フードコートでも同じです。近くに人がいること自体が落ち着かないのであれば、空席があるうちに自分が移動するほうが、相手へ注意して反応を待つより短時間で問題を解決できます。
これは「相手が正しいから我慢する」という意味ではありません。自分でコントロールできない他人の行動に時間を使うより、自分で変更できる位置や距離を調整するという実用的な考え方です。
注意するなら人格ではなく具体的な行動を伝える
どうしても声をかける必要がある場面では、相手の人格を批判するのではなく、困っている具体的な行動を短く伝えるほうがトラブルになりにくくなります。
たとえば駐車位置が極端に寄っていてドアを開けられないなら、「すみません、こちらのドアが開けられないので、少しスペースを空けてもらえますか」と伝えれば、問題点と希望する対応が明確です。「なぜわざわざ隣に来るのか」と動機を問い詰める必要はありません。
反対に、相手がルール違反をしておらず、単に「近くにいること」が不快というだけなら、注意するより自分が移動したほうが安全です。相手が攻撃的な態度を示した場合も言い争わず、その場を離れることを優先しましょう。
まとめ:トナラーの心理を決めつけず、距離を取るのが現実的
空いている場所で隣に来る人には、駐車の目印が欲しい、入口に近い場所を選びたい、使いやすい席が重なった、単純に他人との距離をあまり気にしないなど、さまざまな可能性があります。「トナラーだから自己中心的」と人格まで一律に判断することはできません。
また、ドアミラーを畳んだまま走ることと、空いている駐車場で隣へ停めることを同じ性格の表れと考える根拠もありません。安全上問題のある運転と、個人的に不快に感じる距離感は分けて考える必要があります。
隣に来られることがストレスなら、まず自分が移動する、端や混みにくい場所を選ぶ、具体的な被害があれば施設管理者へ相談するという順序が現実的です。大声で人格を非難して恥をかかせようとするより、必要な距離を確保してトラブルそのものから離れるほうが、安全で確実な対処法といえるでしょう。


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